第149話 川の流れと花びらと

水に流れる花びらを

風に吹かれて見送って

去りゆく季節に怯えながら

明日の兆しを感じてる


咲き乱れている菜の花の

黄色がこの目にまぶしくて

川辺でそっと目を閉じた

かすかに感じる水のにおい


隅によどんだ花びらが

なぜか無性にむなしくて

心地良かった風さえも

ふいに切なくなるのはなぜ


ここに取り残されたのは

花びらよりきっと私で

戻ることも流れることも

できないままただここに潜む


水に流れる花びらを

ひたすら走って追い越して

去りゆく季節に身を任せ

明日の兆しを感じてる


ほんの少しだけ長くなる

日差しに心を踊らせて

きっとまだ歩けるからと

その水と共に進みゆく

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