第144話 空の涙

青空を突き刺すクレーン

錆びた拳振りかざし

何かを変えようとしてる

誰にも望まれないまま


空の破れ目から流れ出す

大量のぬるい水は

きっと惜別の涙

もう変化は止められない


こんなに今に縋り付きたいのに

平気なフリして笑うんだ

だってもうどうしようもない

あきらめにも似た気持ちで


抗えない臆病者は

痛みもなかったことにして

黙って空の涙を享受する

じわりと体は冷えていく



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