第139話 血とトゲと

その目はあまりにも澄んでいて

光を受けてキラキラと輝いた

見ている僕はそのまぶしさが

苦しくなって目を閉じた


やさしさゆえの残酷が

未熟な胸を切り裂いていく


冷えた体を覆うように

赤い血は流れ続け

まるで薔薇が枯れていくように

鋭いトゲが剥き出しになっていく


もしこの血まみれの体を

そっと抱きしめられたなら

心に巣喰うドロドロは

洗い流されるのだろうか


そんな妄想に苦笑して

いたたまれなくて逃げたくなる


あなたの純粋に嫉妬する

醜いこの僕を許して

あなたを傷つけたくなってしまう

愚かな僕を許して


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