第132話 横断歩道と赤い傘

横断歩道白いところめがけて跳んで

赤い傘に跳ねる雨音とともに歌って

思えば随分軽やかに生きてたあの頃


見上げるたび優しかった青空に

雲に閉ざされ見えなくなる日があるなんて

そんなのいつの間に知ってしまったのだろう


なくしてしまったあのキラキラした毎日は

それでもきっとこの体の中に在るからと

重くなる足取りに言い聞かせながら


今日もまたどうしようもない闇を

この手で切り裂きながら行こう

目の前の道をあの日の横断歩道に重ねて



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