第115話 日常と日だまりと

風が頬を刺す冬の日の

痛みを嘘でごまかして

振り返り見る遠い日は

あまりにキレイで泣きたくなる


繰り返す日々は単調で

それなのに常に追われていて

キラキラ輝いてた夢は

灰色の現実に覆われた


そんな今に埋もれながら

歯を食いしばり駆け抜けて

不意に訪れる路地裏の

静寂にどこか癒やされて


日なたぼっこの野良猫の

少し丸まった背中見て

冬の合間の陽だまりの

ぬくもりを胸に吸い込んだ

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