第114話 花びら

凍える指で拾い集めた花びらを

ひらひらと藍色の川へと散らす


まるで去り行く時間を悼むように

ただ静かに時は流れて


風に煽られふわり浮かんだ花びらは

自由なのに迷子みたいに不安げで


はらはらと落ちゆく儚い雪色が

少し早い波の中へと消えていく

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