第104話 流れる季節
帰り道家へ向かって
軋む自転車走らせる
ぼやけた月がなんとなく
哀しげに震えて見えて
日がほんの少しだけ
長くなったことを知る
風は頬を切り裂いて
夜の訪れは思考を包む
はっきり主張するのは
指先に感じる痛みだけ
それが妙に寂しくて
握る手に力を込めた
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