第103話 モノガタリ

幼い頃に憧れた

おとぎ話のヒロインは

いつも無数のキラキラや

ふわふわたちに囲まれて

華やかな笑顔振りまき

煌びやかな世界にいた


今いるここは現実で

華も彩りも乏しくて

いつしか自分はヒロインに

なれないと知ったとき

キラキラもふわふわも

この手で壊してしまいたかった


でも今自分という物語の

途中に一人佇みながら

輝きなんて何一つない

道のりを振り返り

ここまでひたすら歩いてきた

この足が無性に愛おしい


キラキラもふわふわも

きっと私には似合わない

それでも歩み続けるのは

ここにある自分だけの物語

壊すのも抱きしめるのも

私だけの物語




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