第37話 流れゆく

真昼の熱をわずかに残した

アスファルトに足を投げ出して

ただ流れる雲を見ていた


雲は形を変えながら

ゆらゆらと紫の中を漂い

かすかな余韻を残して消えた


いつまでも地べたにいる私は

取り残されたような気分で

それでもまだ見つめるしかなくて


絶え間なく移ろう景色に

かすかに胸を痛めながら

ただ流れる雲を見ていた




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る