第23話 にわか雨

重く垂れた雲にこの腕伸ばして

そっと問いかける

堕ちてしまいたいのはあなたの方か

見ている私か

何度たずねてみても

薄く微笑んだあなたは無言で

ただ儚い体風に任せて

はらりと舞った

頰に流れるのはあなたの残像

鈍く輝いて

響く雷鳴に跳ねる肩先が

静かに濡れる

かすかにつぶやいたさよならは

遠くかき消されるけど

迫り来る夜にこぼれる思いが

淡くにじんだ

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