第11話 夜の底
水の音がかすかに響き
静けさが速度を増した
感覚が研ぎ澄まされて
夜の中ただ一人聞く
暗がりに手を伸ばしたら
傷口に触れてしまいそう
臆病な心の陰で
激しさが爪を研ぐとき
その痛み受けてみたいと
無邪気さを装いながら
目を閉じる静寂の中
今ひとり孤独の色を知る
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