第1-6話 少女は狂ったぐらいが気持ちいい
白いブレザーに薄い青色のYシャツ。
チェック柄の紺色のスカートをなびかせ、髪をかきあげる仕草をするだけなのに見ていた男たちはドギマギしてしまう。
そんな彼女、宮本梓はいつものような明るい笑顔ではなく、アンニョイな表情を浮かべていた。
それはそれで色香やミステリアスさが倍増しているのだが、その原因はその後ろを歩く男だ。
スーツ姿の何処にでもいそうな彼は上原大吾、三十路手前の社会人だ。
彼は1週間前に梓との約束を違えたが為に、ずっとこんな調子でいる。
今回、わざわざ休みの日にS宿にまで来たのは彼女が行くと言いだしたが為。
断れずに渋々付いて来たのだが、それでも梓は大吾をチラッと見ては盛大に溜息を吐くを繰り返しているのだ。
「(梓さんは何でそんなに不機嫌なんだ… そんなにウチに泊まりたかった? でも男の一人暮らしの家に女の子を泊める訳にもいかないし)」
約1週間前に初めて梓が大吾の家に来た時、簡単なゲームの駆け引きで大吾は負け、その代償で梓を家に泊めることとなっていた。
が、迎えに来た黒服の男に普通に明け渡し、そのことで文句を言う梓の味方をしなかった。
その態度から梓はずっとこんな調子でいる。
そのあいだも格ゲーを教えてはくれているものの、しょっちゅう溜息を吐かれて大吾の方もだいぶ疲れて来ていた。
「ね、ねえ梓さん。そろそろ目的地を聞きたいんだけど…」
「ん」
短く、そして口を開いてくれない梓は顎で前方の建物を指した。
AGESゲームスのゲームセンターがあり、それ以外は梓がわざわざ大吾を連れて来る必要性を感じないようなアパレルショップなので、目的地はゲームセンターで間違いはないだろう。
足早に進む梓を追いかけて大吾は進んでいき、予想通り、ゲームセンターへと入っていった。
ここ1週間はほぼ毎日通っていたので慣れたと思っていたが大きな間違いであった。
いつものゲーセンと規模が違い、置いてあるゲーム数も全く違う。
その分音の入り混じり方も激しくなっている。
大吾は初めてゲームセンターに来た時に圧倒された感覚が、全く同じように感じていることに気づいた。
「いるかしら… あ、覇王!」
「うげっ!? ちょ、バイト先には来ないでよぉ! なんか恥ずかしいじゃんかぁ!」
「ええ。そんな覇王の顔を見に来たのだからもっと恥ずかしがりなさい嫌がりなさい、そうだわ。今ならこの店員触って良しと触れ回りましょう」
「辞めて!! 普通にイジメだから辞めて!」
少し機嫌が直ったのか、明るめの言葉を発しているが、機嫌が直った訳ではない。
彼女は機嫌が悪いと、その言葉は普段よりも実害を出すような言葉になる。
ここ1週間こんな感じでいるせいで由貴もやり辛さを感じており、何度か大吾に梓を泊めるように進言をしたりもした。
その際自分も泊まるからと提案したのだが、それでも大吾は首を縦に振らなかった。
「(ちょっと、ダイゴ君! いい加減泊めるぐらいいいじゃん)」
「(いや女の子を男の一人暮らしの家に泊めるなんて倫理的によくないでしょ)」
「(男だったら喜ぶ所だって! 木辛が機嫌治してくれないとやり辛さいじゃんか)」
「あら私に内緒話し? ああ、私を泊めたくないって2人がそう言う関け」
「いやそれは無いし、そんな未来永劫に無い。まだ梓さんの方が確率高いよ」
「食い気味で否定された!? と言うかそれなら木辛を家に泊めなよ!?」
それを言われた大吾はバツが悪そうに後頭部を掻きながら視線を逸らした。
「やっぱりそう言うのは…」
「全く。リアルJKがニーソ裸エプロンで出迎えて、スケスケの白スク水で一緒にお風呂に入り、ドスケべランジェリーで添い寝してあげる上に緊張からゴムを忘れて来てあげるって言うのに何が不満なのかしら」
「だからそれ!? 梓さん本当にその準備してくるんだもん! 俺はまだ捕まりたく無いから!」
「好みのショーツを教えてくれればそれを1日履いてからプレゼントするっていうのに」
「だから泊めたく無いんだよ! それ置いていかれたらもう梓さんの言葉に真実味が出ちゃうんだよ!」
彼女を泊めたく無い最大の理由は一夜の間違いとかでは無く、大吾としては弱味を握られることを恐れてのことだった。
梓の何処まで本気で何処からが冗談なのか分からないせいで大吾は全面的に警戒をしている。
「男としてその反応はどうなのかしら」
「君が成人してれば最悪それでも良いけど、いや良くは無いけど。未成年の梓さんがそれやった後に脅されても逃げようが無いだろ」
「私ってそんなひどい人に見えるのね。悲しいわ」
「……木辛なら少なくとも冗談で脅したりはするだろうなぁ」
「まあそうでしょうね、私。取り敢えずそれは置いておきましょうか。ここに来た目的、分かってるわね覇王」
「うぐぐっ、せめてバイト終わるまで待ってよぉ」
わざわざ地元では無いゲームセンターに来たのには訳がある。
覇王は未だキープ扱いなのだが、梓はついな本メンバー入りをかけた試練を提案したのだった。
『そう言えば、梓さんや覇王さんは何か目標とかあるの?』
『そう言えば話してなかったわね。格撃杯の優勝よ』
『格撃杯?』
『アマチュアの3人1組の団体戦。優勝したらプロリーグに特別招待枠で参加できるんだ』
『でも強い人同士で組めばそこが1番強いんざゃないか?』
『ポイントの合計値は5万までなの。強いアマチュアはだいたい3万超えてるから、強い人だけで組めないのよね』
『梓さんや覇王さんはポイントどらくらいあるの?』
『私は2万8000ね』
『オレはもう直ぐ1万かな』
『希望としては1万2000と1万が理想だけど、大吾さんをそこまで育てるのも醍醐味なのよね』
『俺も頭数なのね。そうしたらこの3人で出るの?』
『いえ? 覇王はキープのままだけど?』
といつやり取りから覇王の昇格をかけた試験が行われることとなった。
ポイント的には理想に近い覇王ではあるが、戦い方次第ではあまり勝ち星としてカウント出来ない為、試験を設けられたのだ。
行われる試験は対人戦での様子、コンボ精度など。
早い話が大吾と梓以外との戦闘している様子を見るということだった。
「ううっ、緊張するよぉ〜。と言うかさ、やっぱバイト中は出来ないし」
「あら、毎日仕事そっちのけでヤッてるんじゃなかったの?」
「やってるに片仮名禁止! 意味変わるから! あ、いや、木辛が相手してくれるなら片仮名でも…ぐへへ」
「カタカナ…? ごめんなさい、貴女のハッピーな頭についていけないから海底二万マイルぐらいにある隔離病棟に移してあげるわ」
「それ死ぬやつ! 行くまでに死ぬやつ!」
実際この試験は昨日急に梓が言い始め、バイトがあるから別の日にと申し出た由貴を無視してバイト先のゲームセンターまでやってきたのだ。
大手のゲームセンターなだけあって賑わっているが、チラチラと梓たちを意識しているプレイヤーもいる。
今の時代でも女の子、それも女子高生が格ゲー筐体の島でウロウロしているのも珍しいことだからだ。
それが白いブレザーで目立つとなると尚更なのである。
「店長とかに聞いてみるけど、あんまり出来ないと思うからね」
「……なあ覇王さん。あれ良いのか?」
大吾が指差した先は男が3人で女の子を囲い、スマホを取り出して話しているところだ。
知り合いなら構わない光景だが、見るからに女の子は怯えている。
ナンパ、とも違うだろう。前に梓がやられていた、乱暴しようとしているのかも知れない。
「うわっ、最近来るようになった人達だけど、マナー悪くて店としても迷惑してるんだよね。注意しても逆ギレするし。店長呼んでこないと」
「……あいつら、懲りて無いのね」
ボソッと呟いた梓の声には怒気が含まれていて隣にいた大吾はビクッと反応してしまった。
同時に嫌な予感がして梓の肩をつかもうとしたが、すり抜けた彼女は件の男たちの方へと歩いて行く。
ああ、ヤバイ。そう思ったが放っておけず、駆け足で梓に駆け寄る大吾と、何が何だか分かってないけど取り敢えずついて行く由貴。
梓は男たちの前に仁王立ちをして立つと侮蔑と憐れみの目を向けた。
「まだこんなことやっているのね。まだお猿さんの方が学習能力高いんじゃ無いかしら」
「あぁ? うるせえぇな! ってこのアマ!」
振り向いた男は大吾にも見覚えがあった。
大吾と梓が出会った時、梓に絡んでいた3人組の1人だ。
大吾がよくよく見てみると、2人もまたあの時と同じ人物だ。
明らかに男たちは表情が強張ったが、最初に威勢良く返した男は勢いを取り戻そうとしているのか声を張り上げる。
「テメェには関係ないだろ!」
「その子、どう見ても嫌がってるじゃ無いの。お猿さんAがこのお山の大将でしょ。今すぐ離しなさい」
「だ、誰がお猿さんAだゴラァ!」
威勢良く声を張るも、何処と無く落ち着きがない。
他2人は女の子を押さえていた手を離してキョロキョロと周りを警戒、否、怖がっているようにも見える。
「…もしかして、黒服を恐れてるのかしら?」
「う、うっせぇよバーカ!」
「全然話が見えないけど、木辛が押してる感じ?」
よく分からないままについて来た由貴は立場上、店の人間だから大吾の影に隠れるのもどうかとは思うが、そこから口を挟んで来た。
その言葉を聞いた男の1人は焦ったように口を開いた。
「き、木辛ってあのプレイヤーの… いや格ゲーしてただけだし俺ら。な!」
「お、おおう。そしたらこの子が教えてくれって言うから、まあ、個人的な連絡先を、な」
話しを振られた少女はビクッと反応し、潤んだ瞳が右往左往した後、大吾たちからは見えない位置にある男の手元を見た後、顔が強張り、ゆっくりと肯いた。
明らかに肯かせたのだが、何をしたのかは見えていない。
それどころか大吾も由貴もその様子にさえ気付いていなかった。
梓ただ1人を除いて。
それを見た直後の梓の動きはまさしく電光石火だった。
「ほら、合意のっって痛ててててて!!」
「合意、ねぇ。肯かないなら夜道に気を付けろ、だなんて随分ロマンティックな言葉をスマホに打込んで彼女に見せているじゃない」
「う、うるせぇよこのクソアマ!」
そう言って殴りかかろうとした男を梓はいなして足を引っかけて転ばせると、腕を捻っていた男をさらに絞って席を立たせてそのまま1回転させて投げた。最後の男は唖然としていた様子の所、鳩尾辺りを思い切り蹴り飛ばされて椅子から転げ落ちてしまった。
その間に女の子の手を取って大吾たちの側へと移動してきた。
「ま、待てよおい!」
「待つ必要も価値も無いでしょ。いきましょ大吾さん。それと日を改めてやりましょうか覇王」
「勝負しろ!」
無視しようとしていた梓の動きが不意に止った。
男はそれを見てこれなら話が通じると思ったのか、言葉を続けた。
「俺らとお前ら3人のチーム戦だ。俺らが負けたら出入り禁止は受入れる。俺達が勝ったら木辛、お前は俺達専用の言いなり彼女だ」
「・・・・・・そう言う賭事勝負は嫌いじゃ無いけど、こちらのリスクだけが異様に多きのは頂けないわね。そうだわ。私の知合いに男の人と男の人がまぐわうビデオを撮影している人がいるのだけれど、役者さんが足りないって嘆いていたわ。あなたたちはそれに3回は出ること、って言うのはどうかしら」
「なっ、ぐっ、ぐぐっ! ああ良いだろう! それで良い」
「ちょ、何言ってるんだよ! 相手はあの木辛、トッププレイヤーだぞ」
「良いからやるぞ! そっちは木辛とそのスーツの男とさっきの女の3人で良いな!」
そう言われて大吾は少し眉を顰めた。
この場合は由貴なのでは無いのか、と。
本来ならば、否、関係を知っている者なら由貴をメンバーに入れるだろうが、彼らはその関係を知らない。
ましてや由貴は今この店でバイトをしているので、もめ事が起きそうだから来た店員、ぐらいにしか見られていないのだろう。
だからこそカウントしていないのだ。
が、それを大吾は気付いていないので眉を顰める形となったのだ。
「ええ良いわ」
「ちょっと! 梓さんもそう勝手に決めんなって! 第一この子怯えきっててとてもじゃないけど格ゲーで勝負なんて」
「でも他にいないじゃない。例えばどこぞのゲーセンアルバイターが助っ人を申し出るような根性があるなら一考ぐらいはするわよ」
その言葉を聞いた大吾は少し案著しつつ、由貴の方へと振返った。
この話しが聞えるような近さにいる由貴ならば、これで参加を申し出ると思っていたからだ。
だが、由貴はバツが悪そうにしながら後頭部をかき、ちょっと言出しにくそうにオズオズと口を開いた。
「ゴメン、その、あんまり目立つわけにはいかなくて・・・」
「何で? ここの人も迷惑しているんだろ? 丁度良いじゃないか」
「いやダイゴ君、オレはバイトなんだし、そんな勝手してお客減らしたら怒られちゃうし・・・ それにこの人たち、結構強くてオレのポイントじゃ勝てないよ。オレのせいで木辛の人生を賭けさせる訳には…」
と言われて大吾は思い立った。
少なくとも彼らはしょっちゅうゲームセンターにやってきてはゲームをしつつ女の子を物色していたに違い無い。
長くやり込んだということはそれだけ強いと言うことだろう。
梓がいくら強くても、チーム戦は勝残りなどしない戦闘形式が一般的だ。
梓だけが勝っても意味がないのだ。
そこに初心者の大吾がいる時点で1敗は確定していると行っても過言では無い。
由貴がもし立候補していても、かなりの重圧だ。
「(でも現状だとこの既に一杯一杯で怖がっているこの子が仲間でも前提は覆らない。覆さないと、俺が勝たないと勝利出来ないってのは辛いな)」
実際由貴の言葉で大吾はより重圧を受けてしまったし、女の子に関しては焦点さえ合ってないのではと思うぐらいに目が泳いでいる。
誰だって他人の人生を賭けてなんて出来るものではない。
これはやれるのは当事者か、相手が自分と全く関係ない時に匿名であればなどの条件が付いてしまう。
逃げたい所を大吾が踏みとどまっているのは正義の心とかそんなんでは無く、物理的に真後ろにいる由貴が邪魔で下がれないのと、梓の威圧感に負けているせいだ。
「大丈夫よ。大吾さんなら勝てるって踏んでるから。教えたことをやるだけでいいのよ」
「だけど…」
「平気。少なくとも言い訳だけして何もしないヘタレに比べれば逃げ出さないだけ合格じゃない」
そう言うと後ろの由貴をを目を細めて睨むと、オズオズと前に出てきた。
「い、いやだって試験は別の日にしたし」
「ええ、なら50年後ぐらいでいいかしら? それまで一切連絡何て寄越さないでね。貴女の顔を見るのも声を聞くのも存在を察知するのも… 虫唾が走るわ」
最後の言葉にはいつもの明るさなど含まれず、本当に軽蔑をしたかのような低い声を出していた。
由貴は今回、自分が危険に合わないが負ければ梓にリスクを背負うという状況で自分のせいにしたくない一心で逃げただけだ。
だが、当事者から言われても逃げただけの彼女を信頼するなんてあり得ない。
付き合いが長ければそうでもないかもしれないが、彼ら彼女らの付き合いでは完全に崩壊してしまうことだ。
「え、いや、あの、木し」
「声を聞くのも虫唾が走ると言ったわよね。邪魔だから仕事でもして来なさい。そして2度と私の前に現れないで」
ここまで言われたので大吾は由貴が戦うと言いだすかと思っていた。
しかし、由貴は逡巡した後、項垂れて気後れするような形で下がろうとした。
「何だ、ここまで言われて引き下がるのか」
引っ張った故に項垂れた顔が上がったが、顔は赤くなり、泣きかけていた。
「で、でも嫌われてるし…」
「一考するって言ってただろ。戦ってくれれば」
「負けたら木辛が酷い目に合うのにそんなの被れないよ! ほ、ほらダイゴ君なら勝てるって言われてるし、2人で勝利してきてよ」
力なく笑う彼女の顔に、大吾は違和感を覚えた。
その表情は取り繕う時などでは無い、漠然とどうにかなると思っている人間がする顔だ。
「……覇王さんさ、この戦いで俺らが勝ったらそのまま元に戻れるとか考えてるだろ」
「い、いや、ちゃんと謝ったりはするし。ダイゴ君も間入ってくれるでしょ?」
「………そうか。なれるといいな。少なくとも俺は覇王さんの今の態度を見て、金輪際一緒にゲームをしたく無いって思うけどな」
大吾も突き放した途端、覇王はようやく自分の状態が分かったのか踵を返そうとした大吾の腕を掴んだ。
「ま、待ってよ。そんな、一緒に戦わないだけだし、そんなに冷たくしなくても」
「よく知らないけど、組たいのはチームなんだよな。一緒に戦わない奴はチームメイトにしたくないだろ普通」
大吾まで冷たくあしらうと、由貴は取り戻せない失敗をしていることに気付いた。
彼女が気付かなかったのは、ここ1週間程で仲間意識が一方的に芽生えていたせいだ。
双方から芽生えていればこんな間違いはおきなかったし、双方が芽生えてなければそうはならなかった。
そしてこの場合、一方的に芽生えていたのは大吾と梓の方であった。
故に仲間に裏切られたという思いまで併発し、尚且つ仲間だと思っていたのはこっちだけだったと感じさせたせいで一気に冷たくなってしまった。
一緒に遊べば仲間、とは簡単に言えないのだが、少なくとも孤高でゲームを続け、チームを組む相手のいない梓や1人で単身赴任してきて初めての世界に浸かっている大吾には数少ない仲間だと思われていたのだ。
そうでもなければ、チームメイトとしての試験なんて、目的のポイントに足りてない人間に行うはずがないのだ。
「………」
言葉も出ず、筐体2台あるかないかの距離が、遥か遠くに感じる由貴。
戻ることも出来ず、立ち尽くしていた。
「んじゃ、そっちはそのメンバーな。変えなくて平気かぁ?」
「ええ構わないわよ。そちらこそ、人間と変わらなくて大丈夫?」
「言ってろ。お前みたいな女子高生を好きにできると思うと興奮するぜ」
「え、その大きさで興奮… その、元気出して? 人それぞれだから、大きさ以外でもきっと認めてもらえるときが」
「なっめんな! つかジーパン履いてるからな!」
「ってことは大きくはしてるのね。恥ずかしい人」
「してねてねぇよ!! やり辛い奴だな!」
挑発する梓に震える女の子に落ち着きがなくなってきた大吾。
梓の今後をかけた対戦が始まることとなり、大吾はプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。
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