第2話 伝説の龍と平凡な僕

『永久召喚儀』の後、スライム以外のモンスターが出てきた喜びで泣きながら家に帰った。


「…………」


家に帰り、ドラゴンを持って帰ったのはいいが…

「僕はどうすればいいんだ?」

流石に、ドラゴンは予想外だった。

取り敢えず、モンスターとの友情を深めたいな…

召喚士はモンスターとの相性が大事である。例えば、ゴーレムや機械系のモンスターは召喚士の指示に忠実に動ける。しかし、自我を持つモンスターは簡単に指示は聞かない。そのモンスター特有の習性や独自の判断で動いてしまうケースがほとんどだ。


フレンは腕のガントレット『プロヒィーラー』を開く。

ちなみにこの『プロヒィーラー』はステータス等の確認に良く使われる。

後は、他の冒険者に戦いを挑んだり、共闘する時に使われる。

そしてコレが僕の『相棒』のステータス


種族 龍族

親愛度 10%

呪文

・習得無し

特有スキル

・フレイムブレス

・バーンブレス

・小さな火球

・龍鱗硬化(りゅうりんこうか)


名前が解らないのか…どうしたものか。

何か出来ないかモンスターについての本を探していた。


その時だった。


頭から声が聞こえた。

「’’お主聞こえておるか…?’’」


フレンは周りを確かめるが誰もいない。


「’’おーい!聞こえておるなら返事をせいっ!’’」


フレンは謎の声に返事をする。

「お前は誰だ、何処にいる?」


「’’お主の肩にいるのじゃが…’’」


フレンは慌てて肩を見るがドラゴンしかいない。

どういう事だ…?誰もいないこの部屋に声がする…


「’’お主まだ気づかないのかえ?ココじゃよ!ココ!」


「だから何処にいるんだよッーウッ!」

瞬間、俺の腹をドラゴンが殴った。

「何すんだよ、ドラゴン!」

「’’お主が無視するからじゃろ!’’」


あれ?今コイツ喋らなかったか…?

フレンはドラゴンの方を向いて話した。

「あれ?まさか声の主は君…?」


「’’気づくの…遅すぎじゃろ!お主は本当に儂の召喚士か?!’’」


「ごめんなさい…でもいきなりだったから解らないのも仕方ないとーすみません!」

ドラゴンが尻尾で殴ってきやがった。以外と痛い!何か謝っちゃったよ!


「’’はぁ~、この『黒龍ファフニール』の召喚士がこの有様か…後先が重いのう」

「んな事言われたって、僕は平凡召喚士だからーッて『ファフニール』?!」

僕は不意のワードに後ずさりする。目の前の龍と伝説上の『ファフニール』を重ねて見る。


「………………」

「’’何じゃ?そんな緊張せんでもいいぞ?’’」

「あっ…いや…その~何か似てないなぁ~って思っちゃった」

「’’仕方ないじゃろ。儂は永き封印から解き放たれた『黒龍』なのじゃから…’’」

「そんな風に見えないなぁ~」


目の前のパートナーの発言に、不信感しか抱かなったフレンであった。

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