170704「穏やかな終わりは輪廻の先に」37

「もうダメだね」

 ボロボロになった私を見て、老爺は静かに呟いた。穏やかな終わりは輪廻の先にあるのだろう。彼の曾祖母の曾祖母が生まれた時からずっと仕えてきた私にも、ようやく終わりが来たのだろう。

 ただの反物だった私が、着物、人形を経て、雑巾として終わりを迎えるのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る