170604「目を見て話せよ、卑怯者。」7

 指先を動かすだけで激痛がした。腰から先の感覚が無い。血と硝煙の香りがした。何かが爆ぜる音に混じって、足音が近付いて来る。

「まだ息があるか」

 腕だけで体を起こし、裏切り者を睨む。

「……目を見て話せよ、卑怯者」

 俺の言葉に耳を貸すことなく、静かに腰の剣を抜いた。

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