170603「自由をくれた罪人へ」6
片腕で抱え込むようにして花束を受け取った。町を外れ、暗い湿地へと足を踏み入れた。革命から何年経ったろう。かつての戦場の臭いが想起する。現王に奪われた左腕が痛んだ。
手近な木の影に花を投げ捨てて、旧国式の礼をする。自由をくれた罪人へ私は今日も祈りを捧げるのだ。
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