170602「卑怯な私は君を逃したふりをする」5
遠く伸びた打球は堤防の向こうへ消えた。遅れて、破砕音が聞こえる。
青ざめた打者を置いて一人堤防を越えた。途中、道の端に落ちていたボールを拾い、心配性な職人の家にお邪魔する。やはり、庭にガラスが散乱していた。
卑怯な私は君を逃したふりをする。今日はケーキを頂こう。
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