170601「逃れた先で絶望を知る」4

 異民たちの反乱はコロニーの至る所で混乱と狂乱を呼んでいた。方々から悲鳴と剣戟が聞こえる。

 朦朧としながら肺に刺さったナイフを抜き捨てた。吐息から血の臭がする。

「逃れた先で絶望を知る事になるさ」

 ナイフを握る悲痛な緋色の眼の恋人を思い出しながら、意識は暗転した。

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