見守る貴方へ

ゆっくり影が伸びていく

影が濃くなっていく

雲間から顔を出すお日様

眩しいまでに輝くお日様


僕は立ち尽くしていた

久しぶりの晴れ間に

水たまりたちがキラキラ光る

濡れた路面がいっそう色を増して


青い青い空が眩しい

世界に色が戻っていく

木々が風と戯れている

大空に鳥が遊んでる


車たちが水たまりを跳ねている

信号はプログラム通りに動いてる

子供たちが長靴で帰り始めてる

楽しそうにはしゃぎながら帰っていく


建物たちは何も言わない

看板も

道路標識も

カーブミラーも


すうぅと鼻から息を吸う

透明な気配に気付きながら

今日もそこから見ているんだね

心配で心配でたまらないんだね


この落ち着いた世界で

この恵まれた世界で

想いひとつで世界は変わる

まだ気付かないふりをしていてもいいのかな


光は何も言わずただ降り注いでいる

何もないと思えばただそれだけの事

けれど想い深く深く世界の果てに届く程に

そうして意味のない意味にいつか気付くなら


時間の示す本当の意味

影が少しずつ動いていく

全ては過ぎ去り経験に変わっていく

過去を糧にして未来に歩もう


いつだって世界は笑っている

持てるだけの荷物しか持てないけれど

それでいいんだって風も囁いている

何処まで行けるかどうかそこで見ていてね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る