ごきんじょさんぽ

暖かい暖かいお日様の光を一杯食べて

おふとんたちみんな揃って笑ってる

やわらかい光がそれぞれ反射ししているよ

そんな暖かい風景を見ながら歩いてる

少し懐かしい感じもするね

お母さんの愛情を感じるね


そんなありふれた風景が

こんなありふれた田舎道に

とてもとてもよく似合います

まるで昔から全然変わっていないようで

安心して無防備にのんびりと歩きます


遠い遠い空は雲と戯れている

薄い冬の雲が ああ 名前は知らないけれど

ずっとずっと昔からこの世界を見守ってくれているんだね

僕らのささやかな社会の営みを

あんな高い所からやさしく見ていてくれているんだね


あぜ道には小さな花々が

小さな自己主張を振りまいている

虫たちはまだ寝ているかしら

一つ一つの輝きは空のお日様に負けないくらい

いつまで見てても飽きないよね


コンクリートで固められた川は

それでも川の役割を果たそうとして

掃除を忘れられた川底は

濁ってそれはそれは深い闇

小さき命はそこに宿っているかしら


幼い頃は大きかったこの場所も

今では随分小さくなって

あの頃の大冒険の道筋も

今ではあっという間に巡れます

流れた月日は心の奥で色褪せていくね


毎日楽しかったあの頃

そんな時代を思い出しての散歩道

変わらない自然の風景と

変わっていく町の景色と

まるで生きているみたいだね

変化しながら時代に寄り添っているんだね


頭上には暖かいお日様が

今日も当たり前のように

この世界全てに恵みの輝きを

僕らはそれを受け取って

上手に上手に使える力にして

お日様はただ黙って笑ってる


今日は風が穏やかだから

気持ちの良い散歩になりました

猫に出会えなかったのは残念だったけれど

暖かい気持ちでいつの間にか

心の奥までキレイになりました


お日様の光をたっぷり食べたおふとんが

僕の帰りを待っている事でしょう

今夜は久しぶりにたっぷり眠れそうです

こんなに素晴らしいありふれた一日

ずっとずっと続く事を祈るばかりです

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る