幻の森

ずっとずっと遠くばかり見てた

幻の白い馬ばかり追いかけていた

幻想の深い緑の森で

馬は美味しそうに湖の水を飲んでいるのだ


森にはたくさんの草木が育ち

草木を求め草食動物たちが集まり

それを追いかける肉食動物も集まり

枝には鳥たちがさえずり

地面には土を耕す小さな生き物たち


森を貫く川はとうとうと流れ

悠久よりの流れに魚たちが跳ねる

木の根っこにはきのこたちが群生し

獣道以外を歩くと必ず迷うのだ


そこは霧深き原生林

今は残り少ない生のままの世界

優しく注ぐ木漏れ日の中に

きっとその馬は居るのだろう


そんな想像を

そんな幻想を

いつも夢見ている

目を閉じると浮かぶ


緑の洪水が

目に優しいのは

きっと命の色だから


血の様な赤

鮮やかな赤

今頃は森も染まっているだろう

色褪せる前に今度行ってみようか

まだ誰も見た事のない幻の森へ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る