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目次
満月を見上げて
まあるいまあるいお月様
今夜は満月だよ
暗い世の中を丸く照らしているよ
安心するね
少し寒いけど
車たちの音を除けば
ここはとてもシンプルな静けさで
オオカミじゃないけれど
あの月に向かって吼えてみたくもなる気持ちも分かるよ
もう少し更けてくれば
向こうの峠では爆音たちの発表会
それぞれ危ない事が大好きなお年頃
皆さんくれぐれも事故だけには気をつけて
窓の外見て想うのは
好みの顔のあの娘の事じゃなくて
自分と世界のこれからのこと
あんまり普通すぎるから
ニュースが報じる近未来が信じられなくて
ねえお月様
この先本当に大丈夫？
暗い不安が闇の向こうで手招きしているけれど
貴方の光がそれを忘れさせてくれる
大丈夫だよって笑いかけてくれる
車たちは今宵もどこかへ奔走中
何か事件があったのかしら
モノクロパトカー闇夜に消えるよ
着飾った街を後にするよ
余計な音をさせないで
そっと耳を澄ませていたら
遠くで電車の音と海の音
まるで海に沈んでいくみたい
海底列車は走ります
海底駅へと向かいます
午後２３時１４分
お忘れなく海底旅行の最終便
ウサギが餅搗くお月様
一人で見る夜空は少し寂しくて
くしゃみが出るまでずっと見てたよ
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