『シチュエーションラブコメ』が流行っているのではなくて、ネット小説ラブコメの行き着く先が『シチュエーション縛り』にしかできなくなっている件について

 皆さんおはようございます、あさかんです。


 今、ライトノベルのラブコメで『シチュエーションラブコメ』がかなり流行っているということをラブコメ作者の皆さんは既に周知されている事と存じます。


 そこで今回はこのテーマで考察をしていきたいと思います。


 まず最初に、私は『シチュエーションラブコメ』の定義を『主人公とヒロインが普通ではない特殊な状況下で出会う、接する』と『主人公とヒロインが普通ではない特殊な関係』という広い定義をしております。


 物語をジャンル分けすると『異世界ファンタジー』『現代ファンタジー』『恋愛』『SF』『ホラー』『ミステリー』『サスペンス』『時代劇』そして『ラブコメ』など、この他にも細分化すればキリが無いほど多種なジャンルが存在します。


 そう言った多様なジャンルの中でも『ラブコメ』の歴史は特に長く、過去に販売された作品の中でも特出して多いジャンルとなっております。つまり、それだけ掘りつくされたモノになっているのですね。


 ラブコメの代表的なシーンにしても『主人公とヒロインが遊園地に行く』とか『映画館に行く』とか『お見舞いする』とか『文化祭の準備で一気に仲が進展する』などは、ラブコメ好きな読者はいくつもの別作品で似たような場面、展開をいくつも見ているでしょう。


 そんな中で『既存にないような新たな作品』『他のラブコメと差別化』をアピールするなら、もはや冒頭で述べたようなシチュエーションに特化するしかなく、『シチュエーションラブコメ』が流行っているのではなく、ラブコメ掘り下げていくのはシチュエーションに拘ることくらいしか手がないのが現状なのです。


 更に書下ろしのライトノベルやネット小説は週刊誌の漫画のように『お目当ての漫画のついでによんだ新連載の漫画が面白かったのでファンになった』ような新規読者の獲得ができないので、どうしても『あらすじのような長いタイトル』で読者に興味を持たせることが定石となっております。


 その『ラブコメを掘り下げていった結果、限定的なシチュエーションのラブコメになる』『限定的なシチュエーションを長いタイトルで表現しやすい』という2点がまさに噛み合っていることから、『シチュエーションラブコメ』が読まれやすい、となるわけですね。


 今でも他のネットで紹介されているお勧めの新規ラブコメを見てみても『友達にお金を貸したら、妹を差し出されたラブコメ』や『クラスイチのボッチとクラスイチの人気女子のラブコメ』『再婚相手の連れ子が元カノ』『クラスメイトとお見合い』など普通では想像できない状況下でのラブコメのタイトル(タイトルはぼかしてあります)が特に目立ちます。


 書籍化の有無は別にしても、カクヨムリワードで誰で収益を手にすることができる現状のネット小説では、作品のクオリティが重要だとしても、その前に内容よりも先ずは『興味を持ってもらうこと』が優先される部分も確かにありますので、皆さんもラブコメを書く際は『今までの作品にないような、普通ではない状況下でのラブコメ』を考えてみては如何でしょうか。

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