改めて異世界ファンタジーのブームを作者サイドの立場として考察してみる

 皆さんこんにちは、あさかんです。


 いよいよ予定では明日?から始まるであろうカクヨム収益化において、今までの小説サイトの主な在り方から変化を生まれるのではないかと私は思っております。


 それはもちろん今までカクヨムの執筆でお金を稼ぐにはコンテストで賞金を貰うか書籍化するかの二択だったのが、広告のおかげで読まれるだけで希望するユーザー全てに収入が得られるようになるからです。


 これによって読まれやすいジャンルに偏ったり、エピソード分割などのPVを増やすための小技が駆使されるようになったりして苦言を呈する人も多いかと存じますが、ジャンルの偏りは読者のニーズなので仕方が無いのかも知れません。


 率直に言うと『俺TUEEな異世界転生ばっかりだ!』ってな感じになると思います。しかしそれが市場というものですので理解しなければならないでしょう。


 そして『異世界転生』というのは読者のニーズだけでなく、作者にとってもかなり都合の良い点があります。


 まず主人公が転生者であることからその異世界に対して無知ですので手探りの状態で書き始めても地の文が一人称ならば、説明不足な点があったとしても無知な主人公の視点で書かれる物語なので大丈夫という構図が成り立ちます。


 更に作品として大切な『物語の目的』をキチンと設定していなくても『異世界転生』ならばとりあえず主人公が何も知らない異世界で右往左往しながら活動するだけでも、それが物語としての目的となってくれます。


 仮に行き当たりばったりでストーリーを進めても、一昔前に言われていた『山なしオチなし意味なし』のような『この作品は結局何がやりたいんだ?』という未完成な作品になりにくいということですね。


 そして以前から述べているように『異世界モノ』というのはどんなサブジャンルも特殊な要素も受け入れることが出来る懐深いものがありますので、冒険ものにしてもラブコメにしてもスローライフにしても、ミステリーだってなんでもござれです。


 つまり当初は適当に書き始めたものでも、思いついた時点で何らかの目的を設定すればストーリーを続けられますし、次々と目的が変わったとしてもそれほど違和感がありませんので長編が書きやすいというメリットがあるのです。


 恋愛作品なら相手と付き合った時点でその後が後日談になりがちですし、スポーツモノとかでも当初設定した目的を果たした後は続きが書きづらいかと存じます。


 しかし異世界ファンタジーは魔王を倒した後に平和な世の中でハーレムを作るとか、勇者が弟子を育成するとか別の話に飛んでも違和感はありませんし、そもそも魔王を倒すという目的そっちのけで全然別のことをしている作品だって山のようにあります。


 結局何が言いたいかと申しますと『異世界転生』というのは無知な主人公がその異世界で活動することが基幹ですので、小説を書き慣れていない初心者でも書いた分だけその都度更新できるWeb小説ならとりあえず思いついたことを書き続けていればそれなりに形になるということなんですよね。


 つまり異世界ファンタジー作品は読者のニーズだけでなく作者のニーズでもあるのです。


 収益化が始まれば今まで小説を書いたことがなかったカクヨムユーザーの方のなかに『異世界転生モノ』なら書けると挑戦する人もいるでしょうから、なんで異世界ファンタジーばっかりなんだ!と憤慨せず、Web小説市場の活性化に繋がるのだと期待してみましょう!

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