何故、私がプリーストの続きが書けなくなったのか


 皆さんお久ぶりです、あさかんです。


 先に申しておきますと、私は超遅筆です。


 それは自分が描く物語の展開において事前に自身が納得できないと筆が進まないからです。


 

 現状は超遅筆ながらそこそこの読者を得ているおっさん×JKラブコメの「長い経緯」という長編作品を続けており、結構前に同時でもう一つ長編を作りたいなと模索していた時期がありました。


 そこで立ち上げたのがタイトルにもある異世界医療モノの「プリースト」なのです。


 この構想にもかなりの時間を要し、相当な自問自答を繰り返したのですが、試行錯誤の後にようやく「魔物の毒は多種多様で症状も様々なことからそれに適する解毒魔法も超複数存在し、早期に毒の判別を行い適した解毒術式を行わないと死に至る」という設定でいけば異世界魔法に現代医療的な面白さを融合させられると自分なりにGOサインが出ました。


 そこからは世界背景も登場人物も話を広げる為の鍵も順調に出来、起承転結の起の部分である2万文字の時点でこの物語の基礎部分が粗方だして一段落つけることが出来ました。


 まあ、つまり後は基本路線に沿ってどんどんキャラを動かしていけば良いという状態に出来たわけなのですが、まずこの段階で自分が感じたのが「異世界色が薄い」と言う点でした。


 現代医療モノでの様々な症状や病人が置かれていた状況から奇病、難病の病名を突き止めるという診断やカンファレンスの面白さを異世界モノで生かしたいというコンセプトから、そこに重点を置いてしまった感は確かに拭えません。


 そこで承転結に向けて異世界色を強くしようと構想を練り直しました。


 結論から言うと、私が「プリースト」の続きを書けなくなったのはそこで頓挫してしまったからです。


 異世界色を強くし、魔物との戦闘や異世界での生活感を大きく出し過ぎでしまうと物語のコンセプトである「医療」が死んでしまうのです。


 解り易く言うとジャンルとしては結構多い「異世界×現代ごはんモノ」などでは、異世界で現代の料理を作るシーンや異世界人がそれを食べるシーンが大半を占めていますよね?

 主人公が店なんかを経営していると、主人公の視点が基本なのでその店から離れられなくなってしまいます。そんな状態で異世界感を強く出すために冒険なんかに出てしまっては、現代ごはんモノである必要があるのか?という基礎部分を揺るがす事態になってしまうでしょう。


 そこで大半の異世界×現代ごはんモノの大部分は調理と食事がベースとなっているのです。


 しかし、これらの作品でも結局はまるで「外国人が日本料理を食べて驚いているだけ」のような作品になってしまっている感が強く、異世界である必要性が殆ど感じられなくなってしまいすぐに余程、異世界感と現代ごはんの絶妙な調整に成功しなければすぐに飽きられてしまう流れとなっております。


 アニメ化もした「居酒●のぶ」などはそこの調整を超絶妙に成功させた一例でありますが、それを無計画に実践しようとしてもかなり無理があるでしょう。


 しかも「プリースト」現代医療モノの面白さを異世界でやるというコンセプトでありながら、転生転移モノではなく純粋な異世界ファンタジーで成り立たせてしまおうという無理があって、今になってそれに気づいてしまったのです。


 現代モノの面白さは現代知識や現代の要素が異世界に入り込んでこそ魅力が伝わるのに、現代医療の知識がないためそこから逃げた私の大きなミスでした。


 まあ、案外書いてみればすんなり受け止められる内容になる可能性もなくはないと感じている部分もあるのですが、どうしても私は理屈屋であり、重大な懸念を残したまま筆を進めるのは不可能な性格なのです。


 

 皆さんも私のように途中で躓いて投げ出してしまった作品が多いと思いますが、どのようにしてそれを解決しているかご助言いただけたら幸いです。

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