電子書籍or文庫本、ドラマ性があるorない


  皆さんこんにちは、あさかんです


 久々の更新となってしまいましたが、更新が滞っていてもPVや作品フォローを頂いていることに申し訳なく思いつつかなりビックリしております今日このごろです。


 さて、このエッセイから独立したコンテスト情報エッセイの方ではありますが、レビューにて感想の中にご質問のような内容がございまして、レビューには返信機能がありませんし、内容的に長くなりそうでしたので今回このエッセイで私の所感を書かせていただくこととなりました。


 レビューを頂いた方からのご質問におかれましては、お金を払って読むなら紙の媒体で内容の濃い読後感のあるものが好まれるとありまして、他の方はどうなんでしょう?との広範囲におけるご質問でしたので、僭越ながら私の所感を述べさせていただきたく存じます。


 まず電子書籍か紙媒体の作品のどちらを好むのかと考えますと、慣れてしまえばどちらでも同じと私は感じます。


 それこそ、10年前であれば『慣れ』の部分で絶対に印刷物じゃないと違和感を感じておりましたが、今では電子書籍に慣れてしまったので、金銭的価値におきましては同等となっております。


 寧ろ、同一の作品であれば表示する端末でページサイズが変えられる電子書籍に軍配があがるかもしれません。私は外出先などでは携帯性の良い中型サイズのタブレットで電子書籍を読みますが、家ではPCの大型画面で必ず読みます。小説にしろ漫画にしろ文字は大きいほど読みやすいですし、特に四コマ漫画になりますと、いまでは単行本サイズでは吹き出し文字など読むのにしんどくなってきたのは否めません。後は本と比べて1ページづつフラットに表示されるのも好ましく感じられるようになってきました。


 しかしご質問者の方の質問内容が小説に限定されており、ネット小説か書籍化作品かの違いであればその限りではないでしょう。


 まずネット小説はその大半が無料で読めるという特性がありますので『お金を払う』という観点において、『元々無料で読めていたものにお金を払ってまで読むのか』というシビアな感覚に陥る人も少なくないと存じます。


 無論、縦書きや横書きの違いもありますし、ネット小説というだけで、確立された世界観を用いたオリジナルの同人作品的なモノと感じられる方も多いかもしれません。実際に異世界ファンタジーなどのテンプレ設定などは否定しずらい点が多々あります。


 元々、ネット小説ブームはの原点はSSという原作を補完するための二次創作品ブームから来ているという意見もありますし、テンプレ設定が強いのは読み手においても自分の好みのジャンルや設定と同じようなものをもっと読みたいという双方の好みからできあがった大市場と言えるでしょう。


 逆に言えば、そのネット小説市場の流行から外れるオリジナリティのある文学的作品はPVもつかず流行らないと、そのような作品を書くのを止める作者も多いのではないでしょうか。


 もう少し突っ込んで考察してみましょう。


 ネット小説はPVやフォローが多くなればそれが呼び水となり相乗効果が生まれ更に読者を呼びます。その読者において大人か子供の違いが大きいと私は感じております。


 大人は自由な時間が少ない反面自由に使えるお金があります。なので、わざわざネット小説を読み漁らなくても好きな作品を自分で購入できるでしょう。しかし子供、小中学生などは好きに使えるお小遣いが少ない反面、自分が自由にできる時間は大人よりずっと多いのです。


 つまり星の数ほど大量にあるネット小説から一作品を探し出し、PVを回してくれる火付け役になってくれるのはどうしても大人より子供が主役になるのは仕方がありません。


 ちなみにyou●ubeも同じらしいという意見もあります。チャンネル数何百万、総再生数数億という巨大に膨れ上がった動画もそう成し得たのは小学生あたりの視聴者の力が大きいらしいです。


 ネット小説のPVにしても、動画再生数にしても、数がモノを言いますので、子供でも解り易く面白いと感じる作品がグングン伸びていきます。

 

 大人もPV数や再生数の多さを見て面白そうと判断する人も多いでしょうから、結局のところ、無料作品の評価=誰でも解り易く感じられるモノとなるのは必然なのです。


 もう一つの質問にありました「内容が濃く読後感のあるもの」というのも、冒頭からドラマ性を重視すればどうしても誰でも気軽に解り易く面白いと感じられるモノに結びつかず、どちらかといえばじっくり読みこめば凄く面白いモノになるでしょう。


 恋愛ひとつにしても、最初は全くの赤の他人だったヒロインと紆余曲折、山あり谷ありの末ようやく結びついた大恋愛よりも、冒頭から解り易く親しみやすいとすれば、ハナっから主人公スキスキのデレデレヒロインの方がスタート地点から関係性が出来上がっている分、広く小さく手軽に好まれるのではないでしょうか。


 今の出版社からしても、じっくり読めば凄く面白いけど人気が出るかどうかは運しだいな作品よりも、ドラマ性は薄くともそこそこ面白く既にネット小説で名前が売れている作品の方が手堅いと感じていても仕方のないことです。


 

 今回も色々書かせていただきましたが、ゲーム市場にしましても、どれだけ3D技術やデータボリュームが向上しても、未だに2Dでガチャと同じことを繰り返すバトルがメインのスマホゲーに据え置き機のゲームが一向にセールスで勝てないのと同じことだと存じます。


 練りに練った設定や、世界観、キャラの心情や丁寧で魅力的な地の文なんて大半のネット小説の読者は求めておらず、少ない文字数や台詞で容易に想像できる物語が好まれるというネット小説市場を受け入れられるかどうかも作者として折り合いの付け所なのかもしれませんね。

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