読者選考の是非についての考察


 皆さんこんばんは、あさかんです。


 珍しく連日投稿となるのですが、私の書いているコンテスト情報の方で頂いたコメントに読者選考のことに関する内容がありましたので、今回ソレについて深く考察してみたいと思います。


 と、いうのも現在開催されているファミ通文庫大賞という大賞賞金200万、まさかの暮れの祭典カクヨムコンをも凌駕するビックコンテストが実施されているのです。


 まあ、実際他のコンテストとかでは超高額賞金を設定してる大賞など、かなりの回数を開催した中で初めて選出されたみたいなことも多々ありますので、ファミ通大賞もその下の優秀賞50万が実質大賞ということも十分にあり得ます。


 小説などの作品の評価は明確に点数を付けられる類いの性質のものではありませんので、例えば書籍化後超ロングセラーを叩き出した作品でもコンテストの時点では大賞レベルの評価がされなかったことも往々にしてあるのです。逆に大賞をとっても全然売れずに打ち切りになった作品もありますしね。


 話は逸れてしまいましたが、そのカクヨムにて現在開催中のビックコンテストのファミ通文庫大賞に読者選考が無い事が更に人気を集めているのだろうというコメントを頂きました。


 確かに読者選考に関しましては、小説のクオリティーに関係なく有利不利が発生している部分が大いにあります。


 それは読者選考の基準が★の数にあり、大半の純粋な読者さんは読んで終わりで★を入れない、会員登録をしていないから★を入れられないという事実があるからです。

 

 対して、作者さん同士で仲良くして下さっている方などは実際作品のクオリティーに関わらず読んだら★を入れて貰えることが往々にしてあることから、読者選考の初期段階では作品のクオリティーよりも作者間の交流の方が大事だと仰る方も多いです。


 実際に読者選考の無いコンテストでは★の評価が著しく低い作品が受賞したり、プロのお墨付きである公式連載作品でも殆どPVが回っていない作品もありますので、コンテストの選考者の評価とカクヨム内での評価が一致してない部分も否定できません。


 つまり、作品のクオリティーよりもセルフプロデュースが重要になってくるという読者選考の在り方は間違っているのではないか?という声が実に多いのです。


 

 しかし私の考えと致しましては、カクヨムがWeb小説サイトであり、作者と読者や作者同士の交流を大切にしており、基本理念は人々の交流にこそあるのではないか?と考えます。


 ですので作品のクオリティー、言葉の使い方や文法のルールなどよりも、どんな形式の作品であれ、多数の読者に愛されることが大切なのではないかと思います。


 コンテストに際しましても、勿論書籍化が絡んできますので作品のクオリティーや基本的な文法ルールも重要ですが、応募時点ではクオリティー的に書籍化レベルに達していなくとも、実際にカクヨム内で皆に愛されている作品が上位に残って、最終選考で書籍化レベルで完成されている作品たちと争い合える状況はアリだと思っております。


 実際に読者選考を通過できる程の★がついている作品はどこかしら光るものがありますし、それが改善点の多い作品だったとしても、特別賞などを受賞してプロの目から見た改稿を重ねて、光るものが磨き上げられて書籍化されると考えると、小説業界全体の底上げにも繋がるのではないでしょうか。


 やはり、カクヨムというのは来るものは拒まずのどんな人でも無料で読めるWeb小説サイトですので、そこで実施されるコンテストでは読者選考で実際の細かな作品のクオリティーに左右されずに、より多くの人に愛される作品が注目される今の在り方でも良いと考えます。


 単純に比較できるものではないかもしれませんが、you●ubeなんかは再生数やチャンネル登録数がモノを言います。動画の編集が下手でも下らない内容であっても、そこに視聴者から愛されるモノがあったり、上手に交流できるといったような投稿者自身の資質などの人間的なスキルを持つ人がどんどん有名になっていきます。


 小説にも同じ部分があると思います。例えば同じ文章でも、全く知らない人が書いたモノとサイト内で色々と交流している人や自分の好きな作者さんのモノでは、受け取り方も読み込む度合いも全然変わってくると思います。


 小説でも動画でも他のジャンルの創作物でも、作品自身のみではなく作品を創造する”人”にこそ、その作品を輝かせる要素が含まれているのではないか?と考えると、読者選考が苦手だった方々も今一度それらを見つめ直すきっかけになるかと存じます。

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