新作の立ち上げから語る反省点などなど


 皆さんこんばんは、あさかんです。


 最初に商業用の近況ですが、一進一退を繰り返しつつもまずまず少しずつやっていけてる感じです。


 さて、今回のテーマは新作の立ち上げから物語を構築するまでの流れを語らせていただきたいと思います。


 というのも、私は最近長編予定の作品を立ち上げました。今回はネタ作品や短編ではなく、『~長い経緯』に続く自身では2作目の長編にしたいと思っています。



 長編を書くということで、少なからず自分が納得のいく設定が決まるまでにかなりの時間を要しました。


 ジャンルは異世界ファンタジーです。これは以前からどうしてもやってみたいという気持ちが強く、そして前に書いた短編日帰りファンタジーコンテスト作品が思いの外うまく行かなかったことへのリベンジの意味もあります。


 後は自分の強みを生かしたいということで、『医療系』を取り入れました。


 実はここがネックで長い間書けなかった要因です。私はとにかく医療系の物語が好きなんですが、医者でもなければ看護士でもありませんので、医療の知識は漫画やドラマで読んだくらいのものなのです。


 『医療系』で自分が持つ強みと言われれば、医療系の物語で面白く演出するパターンを熟知していることです。


 そこで専門の知識を使わずに医療系をやるには?と考えた結果、ファンタジーものに組み込めばなんとかなるのではなかろうか?と思い至りました。


 しかし、物語を想像していくうちに色々な壁にぶち当たります。


 一番の壁は異世界ファンタジーの医療系だと回復魔法で全てが完治してしまうというところですね。

 

 では異世界転移モノにして現代医療を使い異世界で無双するのはどうだろう?……ダメだ、現代医療の専門知識がないと言ったばかりなのに、本末転倒です。


 魔法治療でありながら回復魔法が万能ではない設定の構築、結局これが決まらずに何カ月もの間、執筆を放置していました。


 でもある時フッと降りて来たんですよ。


 医療モノの醍醐味は診断と症状原因の解明、これを魔物の毒で疑似的に再現できないだろうか?


 多種存在する魔物ひとつひとつに異なる毒を持っているという設定で、それを解毒する魔法もひとつひとつ対応する術式が異なる……症状によってある程度は診断がつくが、レアモンスターな毒などはベテランじゃなければその存在すらもしらない、その結果、素人術士では対応する術式がわからず解毒できない、でも冒険者なら魔物の知識が豊富なので傷跡などから察しがつくかもしれない……


 イケる!!


 元冒険者のプリースト。


 いや……


 主人公はプリーストを目指していたのに、不本意ながら剣士にされられて魔王を討伐した元冒険者という肩書はどうだ?


 元英雄のプリースト。


 これだ。


 その後はドンドンと設定が埋まっていって、一週間ほど前に『元英雄の毒払い治癒術』で第1話をアップしました。


 タイトルはアップした後に、パンチが弱いなと感じたので『プリースト~毒払いの英雄たち~』に変更


 テーマは異世界でチーム医療。


 地の文は『~長い経緯』が主人公視点の一人称でして、主人公がいないエピソードを○○sideとかにしてごまかしていましたから、今回は最初から3人称でチャレンジ。


 3人称を採用したことにより、地の文が淡泊になることが解っていましたので、会話文の台詞回しはかなり気を使っています。


 書く前から気を付けていた点としましては、設定の説明は極力後にズラすという部分です。読者には一話から医療系の醍醐味を味わってもらい、設定はその後で少しづつ挿入していこうと決めていました。


 後は一話あたりの文章量です。


 長い経緯では1000文字だったり3000文字を超えているエピソードもありますので、今回は極力一話あたり2000~3000をずっとキープしたいと思っています。


 シリアスとコメディの融合は長い経緯でもそこそこやれていたと思っていましたので継続。そんなところでしょうか。



 現在7話までUPしていますが、反省点もかなり見えてきました。


 まずは、医療系をメインにぶっこんだことで異世界ファンタジーの世界観がうまく表現できていない。


 結局は現代医療の病院内のそれを無理に作ったオリジナル設定に置き換えているだけですので、どうしてもファンタジーチックな部分の表現が難しいです。


 キャラ設定も力を入れているつもりでしたが、主人公と親友の口振りがかなり被っています。どちらかが優男系にすればよかったのですが、冒険者で元英雄、お互いがお互いを凄く頼りにしているという雰囲気を出したいがあまり、同じようなキャラになってしまいました。



 なんか新作のアピールのようになってしまいましたが、今回のエッセイでお伝えしたかったのは、私が物語を立ち上げるまでの悩みや流れです。


 皆さんがどのように新作を書き始めているのかわかりませんが、きっと私と同じようなタイプの方もいらっしゃるかと存じます。

 

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