初めて小説を書く方にありがちなこと
みなさん今晩はあさかんです。
カクヨム甲子園も始まって、初めて小説を書くという方も多いのではないでしょうか。
かくいう私も分量的には超初心者ですが、初心者なりに失敗の記憶も新しいので今回はそれらを紹介させていただきます。
まずは会話文の後に『と、○○が言った』を多用することです。
例えば、
「カレーにナスは入れちゃイカンだろ!」
と、あさかんは言った。
このような感じです。
ちょこっと入る分にはまだいいのですが、会話文の度に毎回入ると読み手にはかなり抵抗を感じます。
そもそも会話文「」には”言った”という行動が含まれますので”○○が”という誰が言ったのかという部分は必要かもしれませんが、”言った”自体の明記は不要といっても良いでしょう。
ですので、
「カレーにナスは入れちゃイカンだろ!」
あさかんはコップの水が零れんばかりにテーブルを叩いた。
というように、次の行動を示したりして誰が言ったのかがわかれば問題ありませんし、話の流れや会話文の特徴で誰が言ったかがわかるようでしたら、”○○は”の部分も不要な場合があります。
次は一つの文章に同一の名前が連続することです。
例えば、
あさかんが手に入れた勇者の剣はあさかんにとって到底使いこなせる武器ではなかったため、あさかんは泣く泣く勇者の剣を手放して他の装備を買う資金にすることにした。
上の文章では『あさかん』という個人名が3回、『勇者の剣』という物体名が2回、一つの文章で使われております。
これはどちらも二回目以降は他の代名詞に置き換えたほうが良いでしょう。
個人名の方は地の文が1人称と3人称とで変わってきますが、3人称なら『彼』に置き換えるのが最も一般的です。1人称ならそれに加えて『あいつ』とか『あの野郎』、『あの方』など普段呼んでいる言い方が自然かもしれません。
物体であれば、『それ』とか『あれ』で解ると思います。
あさかんが手に入れた勇者の剣は彼にとって到底使いこなせる武器ではなかったため、彼は泣く泣くそれを手放して他の装備を買う資金にすることにした。
このようにすれば同一の名前を連続させないことができます。
後は
実際に書籍化した人の続編作品でも異なった使い方をしていることもありますし、WEB小説はいつでも直せるところが強みなので明らかに不自然でない限りは神経質にならなくても良いかと思います。
他にも色々私が失敗した経験があるのですが、それはまた何れ紹介させて頂けたらと存じます。
……決して、ネタの温存じゃないっすから!!
8/3追記
コメントにてアドバイス頂いたので追記させていただきます。
あさかんが手に入れた勇者の剣は彼にとって到底使いこなせる武器ではなかったため、(彼は)泣く泣くそれを手放して他の装備を買う資金にすることにした。
このふたつ目の(彼は)は無くても自然に読めるとのことですが、全くもってその通りです!!
というのも、別の要因が絡んでくるのですが、この文章だけでいうと、登場人物と登場するものがひとつづつしかないので、そもそも最初に人名と物体名があればその後の代名詞などは必要がないとも言えるのです。
極端な話、
あさかんが手に入れた勇者の剣は到底使いこなせる武器ではなかったため、泣く泣く手放して他の装備を買う資金にすることにした。
これでも、話自体は繋がります。
しかし、日本語の難しいところでもあるのですが、上記の『到底使いこなせる』が何をさすのか?という疑問に対して、『それを書くべき』『書かなくてもわかる』と意見が分かれる場合もあります。
ですので、
あさかんが手に入れた勇者の剣は(彼にとって)到底使いこなせる武器ではなかったため、
あさかんが手に入れた勇者の剣は到底、(自分で)使いこなせる武器ではなかったため、
と、後の文が指し示すものを明記した方が良い場合があります。
それでも、それはより文章が自然になるということであって、決して『あるのが正解』『ないのが間違い』というようなことではありません。
実はその日本語の難しさを例えるのにバッチリな昔のアニメソングがあるんです。(著作権的にアウトなのでかなり歌詞を変更します)
『俺のユウナを助け出す為♪ みんなで一緒に帰還する日まで♪ 危険な試練を突破して♪ 行くぞ、グレイと戦い続けるぞ♪』
私はこのアニメを全く知らない状態で歌だけを聞いたのですが、最後の、
『行くぞ、グレイと戦い続けるぞ♪』
このグレイって魔王のような敵だと思っていたんですよ。
でも実はグレイは味方であって、『行くぞ、グレイと(共に)戦い続けるぞ♪』
ということだったんですね。
これはグレイの後の『と』があやふやにしているんです。
英語だと『と』だけでも敵なら『VS』味方なら『with』とハッキリ区別できるのですが、日本語は曖昧なんですね。
余談になってしまいましたが、文章やシーンのなかで登場人物が多数になるともっと複雑になるとのアドバイスも頂きました。
そこで次回は小説におけるひとつのシーンに登場する人物の数の考察をしていきたいと思います。
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