第3話:「マッケンドリックが教える映画の本当の作り方」アレクサンダー・マッケンドリック
アレクサンダー・マッケンドリックは「マダムと泥棒」などの映画を作った人で、何作かを監督・製作した後は映画製作のための教育に尽力したという。
つい最近「マダムと泥棒」を観たので、ついでにこの本も読んでみた。
本書の中に「ある脚本家の部屋に貼られているスローガン」という章があって、およそ40項目ほどの短文がある。
このうち幾つかを挙げてみると、
「物語の出だしは、何らかのバックストーリーの結末である。」
「ドラマ的に興味深い人物には、少なくとも先を見越せる知性があるべき。」
「状況説明は現在進行中の劇的緊張感や危機をともなっていないと退屈。緊張感を生み出す行動をまず書いてから、目の前で展開させる形で状況説明を行うべし。」
「多義性とは曖昧さのことではない。」
「ネガティブな行動には、ポジティブな行動の形を借りてドラマ性を持たせよ。たとえば、ある出来事が起こりかけたがストップしてしまう様子を描く。」
「結末で起きる出来事は、観客にとっても書き手にとってもサプライズである場合が多いが、同時に、冷静に見るとそれ以外には考えられない不可避な出来事である。」
「外見・体型で役柄を割り当てるな。」
いずれも「なるほど」と思わせる。
最後の「外見」云々は俳優があらかじめ決まっているケースの話らしいが、小説でも安易に「外見=役柄」と決めてしまうケースが多いかもしれない。
手探りで「概ねこういう流れにしたい」と検討している段階や、書く作業が滞った時に、これらの項目を参照するとヒントになるかもしれない。
ちなみに「マダムと泥棒」は脚本家が見た夢が元になっていて、テクニックで作った作品ではないとのこと。
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