第29話 太陽パート 『丸脚』のスミー
サイモン「何ですかね、この銀の柱は?」
セキタ「とても大きいです。まるで壁のようだ」
サイモン率いる8888番隊、通称『拍手部隊』は別働隊と合流するつもりだったが、合流地点で待っていたのは仲間のテントではなく巨大な銀色の柱だ。
サイモン「一体、何なんでしょうか?」
エッグ「隊長、これを見て下さい!」
後部座席で窓側に座っていたエッグが窓から顔と右手を出して柱の足元を指す。
サイモンがその方向を見ると、巨大な銀の柱の足元からじわりじわりと血が流れ出ていた。
血は地面の上を流れ、まるで助けを求めるように怪我人のようにゆっくりと、八台の車の方へ流れてくる。
だがその血の元の人間は恐らく、銀色の柱の底で潰されているだろう。
そしてサイモンは確信する。
今、この場にいる我々は恐ろしく危険な状況にあると。
サイモン(逃げなければ、やられてしまう!)
「ロビン!急いで撤退するよう皆に連絡して、」
ドガアアアアン!!!
不意に、近くで大爆発が起こる。
サイモンが振り返って確認すると、
それは後ろから二番目の車が爆発音だった。
サイモン「な…!?」
『隊長、七号車が襲撃にあい、大破しました!命令を下さい!!…ああ、ブリッジ!ブリッジ!起きろ、起きーーーザーザー、ブツ!』
八号車からの連絡はもう皆が知っている事だ。
しかし隊長に連絡をするのは軍人の本能のようなものであるから、体が勝手に動いてしまったのだろう。
その証拠に後に続いた言葉は、機械的なものではなく友人を亡くした人間の嗚咽であった。
サイモンは通信機を握り、スイッチを押す。
サイモン「8888番隊全車に伝令、全員退避しつつ新兵器の情報を収集せよ。
……ブリッジ達の死を無駄にするな!」
ラジャー、という声が聞こえると同時に六台の車が動き出す。
ススが乗る車も当然動き出したが、その車にはメルも乗り込み、後部座席に座るススに必死に話しかけていた。
メル『くそ、間に合わなかった…!
僕の声の姿も相手には分からないって知っていたのに! スス、スス!頼む、僕の話を聞いてくれ!』
乗り込んでいたはいいが、メルの姿は誰にも見えず声は聞こえない。
触ろうとすれば体ごとすり抜けてしまう。
だからといって何もしないのであれば、ただただ彼等を見殺しにしてしまう。
ススはメルを全く無視して後ろの雲を眺めている。
スス「きっと、あれは兵器なんだ…でもどうすればいいの…」
メル『僕は知っているぞ!あの兵器は下側に雲を作る装置をつけている!だからあそこにミサイルや銃を打ち込めば勝てる筈なんだ!
頼む!僕の話を聞いてくれ…このままだと皆死んじゃう!!』
メルの必死の叫びはススには全く聞こえない。
これは誰かの夢の中の物語。
メルは完全に邪魔者なのだ。
そして列の一番後ろで走る車の中で、ススはカメラを取り出し、銀の柱を写真に収めようとしている。
スミー「スス、なるべくたくさん取るんだよ! その写真一枚一枚が軍の為私達の為になるんだからね!」
スス「はい!」
カシャカシャとシャッターが押される。
しかしすぐ横でもう一度大爆発が起きた。敵は明らかにスス達を狙って攻撃している。
その状況で、写真なんかが一体なんの役に立つのか、メルには理解出来なかった。
メル『〜〜〜!!
スス!スミー!写真なんかとってる場合じゃないよ、逃げなきゃ死んじゃう!!』
スス「あの銀の柱、雲から伸びてるわ…。
もしかしたら新型の空中戦艦かも知れない」
スミー「…もしそうなら、投降する事も許されないでしょうね。口封じとして狙ってる可能性が高いわ」
スス「そんな…」
スミー「あなたはもう少し写真を撮って情報収集しなさい」
スス「はい!」
銀の柱が動き出し、雲の中に消えていく。
メルがそっと銀の柱がさっきまで鎮座した所を見ると、
ぐしゃぐしゃに潰れたテントが幾つも転がっていた。そして全て赤く染まっている。
メルは恐ろしくて目を背けたが、ススは相変わらずシャッターを切り続けた。
しばらくの間、ススがシャッターを切る音と車をガタゴトと揺れる。そして時折、車の近くで小さな爆発が起きていた。
スミーがサイドミラーから後ろを見ると、銀の柱を収めた雲がこちらに向かって動いているのが分かる。
スミー(動き出したか…。
しかし、速度が遅い割に狙いが正確ね。きっと高性能なレーダーを搭載してるんだわ。
このまま生半可な逃亡をしたんではすぐにみつかって部隊が全滅してしまう。
完全に逃げ切るには………囮ね)
スミーは少し考えた後、運転席にある通信機のスイッチを押した。
スミー「隊長、聞こえますか?
スミーです」
サイモン『聞こえます。どうしましたか?』
スミー「敵の兵器…おそらく新型の空中戦艦が動き始めました。アレはステルス、レーダーを搭載した新型兵器です。彼等は私達の投降を認める気はありません。
このまま固まって逃げては危険ですが、かといって散らばればそれこそ奴等の砲撃の的になるでしょう」
サイモン『…く、最悪の状況だな』
スミー「しかし私に策があります。
私一人が囮になり、皆は逃げて下さい」
スス「スミー!?」メル『ええ!?』
あまりに突然なその一言に、皆が小さく叫んだ。
それはサイモンに、そしてサイモンと同じ車に乗っているセキタの耳にも入る。
サイモン『な、何を…』セキタ『スミー!!
何を言ってるんだ!速く逃げるんだ!』
スス「そうよスミー!!
なんであなたが囮になるの!?
足が動けないのよ!」
スミー「だから私が囮になるんだよ。
私一人が囮になって皆を助けるの。
それが一番合理的でしょ?」
スス「ふざけないで、何を馬鹿な事を」
サイモン『いや、それしか部隊が助かる方法はない。
あの兵器は動きだした。このまま固まって動けばまとめてやられる可能性が高い。
お前達も見ただろう、あの銀の柱に潰された仲間の姿を』
メル「……!」
サイモンの非情な言葉。
あの優しい隊長から、そんな非情な言葉が出るなんてススは夢にも思わなかった。
その後続いたバキッという誰かが殴られた音はサイモンが殴られたのだろうか。
サイモン『ぐっ! やめなさいセキタ、これしかないんだ!
奴ら、戦車に穴あけるような弾で我々を攻撃している!しかもレーダーまで搭載している、勝ち目なんて』
セキタ『ふざけるな!
何処の世界に弟妹を失って生きようとする馬鹿がいるんだよ!離せ貴様等!離せ、離せええ!』
サイモン『エッグ!ズパル!セキタを押さえろ!』
セキタ『離せ、離せええ!!スミー、止めろ、やめるんだああああ!!!
バキッドカッバン!くそう!ゴツゴツゴツ!』
小さな通信機から聞こえる攻防にススもメルも言葉を失っていた。
しかし直ぐに音が聞こえなくなる。スミーが通信機のスイッチを切ったのだ。
スス「スミー…」
スミー「やれやれ、セキタも馬鹿ね。
こんな邪魔者の私を助ける必要もないのに」
スミーはフフっと笑う。ススはその横顔を思い切りはたいた。
車内に妙に大きな音が響く。
スス「やめて。
スミー、何故あなたが囮にならないといけないの?死ぬのよ、あなた死んじゃうのよ!?」
メル『そうだ、幾ら足が動けないからって何でそれが邪魔な事になるの!?
現に今この車を動かしているのはスミーなんだよ!?なんの邪魔にもなってない、お願いやめて!』
ススもメルも必死にスミーに説得する。
スミーは赤くなった横顔をさすりながら、また前に目線を戻す。
スミー「いいや、私は邪魔者なのさ。邪魔者は消えるのが一番なんだ。
スス、車から降りな…降りるんだ」
スス「止めて!!お姉ちゃん!!!」
ススは涙を流しながら叫ぶ。
その時、後ろが激しく光り輝いた。
バアアアアアアン!!
ススの乗った車のすぐ後ろが爆発を起こし、車が爆風に煽られて、横転してしまった。
▽ ▲ ▽
ある一軒家の寝室。
メルヘン・メロディ・ゴートはベッドの上で静かに休み、そのメルをゴブリンズの副首領、ススが首筋にナイフを当てながら怪物と話をしていた。
怪物…黒山羊はススに尋ねる。
黒山羊「メ? 記憶、曖昧?」
スス「ええ…残念だけどね」
ススは問いに答える。
ナイフを首筋に当てたままではあるが、その表情はどこか悲しそうだと、機械の山羊は感じた。
スス「確かに私は数年前、サイモンや兄弟達の率いる部隊、8888番隊、通称『拍手部隊』に配属され、
他の部隊と合流する時に敵の新兵器の実験を偶然目撃してしまった事により、敵に狙われる羽目になった… だけど」
ススはちら、と目線をナイフに変える。
ナイフの柄には『Sekita』と言う文字が彫られていた。
スス「だけど、思い出せないの。
あの追い掛けてくる戦艦から必死で逃げて、スミーが囮になるって言い出して、
私はそれを止めようとしたら、乗っていた車の後ろが大爆発を起こして…。
それから先は、よく覚えていないの」
黒山羊「メ…」
スス「でも、これだけは分かる。
私の兄セキタも、姉のスミーも…。
あの炎の中で苦しみながら死んだという事が」
「炎の中で」と言った時から、ススのナイフを握る手が強くなる。黒山羊は慌てて話に集中させるようはなしかける。
黒山羊「メ!? 何故、何故!?
貴様、過去、我、主、関係性皆無!」
スス「それが、関係があるのよ。
だからこうして、あなたに話しているの。
もしこの子が起きてる時にそれを話せば、
きっと私は憎くて全てを話す事が出来なくなるから…」
ススがそんな事を話していた時、メルは夢の中にいた。そしてそれは、ススが今話した通りの夢を見た。
しかし、その夢には続きがあった。
それは、ススが「分からない」と言った、姉と兄の話。
そして、それこそ、この悪夢で最も知らなければいけない物語で有る。
メルは今、夢の中にいた。
何年たっても覚めない悪夢の中に…
▽ ▲ ▽
〜夢の中、戦場〜
一台の車がひっくり返り、腹をみっともなく空に向けている。
その中には二人の人間が乗っていた。
1人は後部座席に座っていたスス。
彼女はひっくり返った車の天井に頭をぶつけ、気絶していた。
もう1人は…メルヘン・メロディ・ゴート。 彼はススの横に座り、何度も何度もススの名を呼んでいた。
メル「起きて、起きてよスス!
ねぇ起きて!目を覚まして!」
メルは何度もススを起こそうと声をかけ、揺り動かそうと手を伸ばす。
しかし、この夢の中で彼が触れるものも、話せる者もいないのだ。
全くやる意味のない行為…この話を『読んでいる』読者には、そう捉えられるかもしれない。
しかし、『体験している』この少年には、自分の360度全てで起きている実体験なのだ。
『意味がないからやらない』、そんな言葉、彼の思考には全くない。
あるのは只一つ、『助けたい』であった。
そしてどうやら、その願いは届いたようだ。
メル「スス!スス!」
スス「…………ぅ…ぅぅ…………」
メル「!」
ススが目を覚ましたのだ。
しかし意識は朦朧としており、まだ動く事は出来ない。
車の窓ガラスはぐしゃぐしゃにわれているので、この状態でも外の様子を見る事は出来る。
一安心したメルはもう1人の様子を見に外へ出る。 車の外にはスミーと呼ばれる、ススと同じ褐色肌の女性が倒れていた。
スミー「…畜生!
奴ら、真面目な話をしてる時にぶっ放しやがって…」
どうやらこちらは元気なようだ。
メルはほっと一息をつく。
…しかしそれも一瞬だった。
ズドオオォォォン!!!
敵の空中戦艦が、また砲撃を始めたのだ。
狙いは、今も逃げ続ける拍手部隊だ。
…どうやら、一度倒した相手には興味を示さないようだ。それを見たメルはゾッとする。
メル「あれじゃあ、みんながやられる…!」
スミー「クソッ!クソッ!
このまま、奴らにやられてたまるか!」
スミーは非常に悔しがり、それから車の方に向き直る。車の中には、ススがうっすらと目を開けて外を見ていた。
スミー「スス…。
ごめんね。弱いお姉ちゃんで」
スミーがフッと、小さく笑う。
その小さな笑みには、優しさや悲しや、同情、ほかにも様々な感情が入り混じって出来た笑みであった。
メルは思わず呟く。
メル「スミー…なにを…」
スミー「これ以上、奴の思い通りにはさせないよ。
見てろよ……………」
スミーはズルズルと体を引きずらせながら、体を引っ張っていく。
その先には助手席があった。
何かを搭載し、人が乗ることの出来ない助手席が。
スミーがその扉を開くと、何かがガシャンと音をたてて地面に落ちる。
それは、折り畳まれた車椅子だった。
普通の車椅子ではなく、スポーツ選手が使うような、前輪のついた三輪車椅子。
後部には連結器が付いていて、何かを引っ張る事が可能になっている。
スミーはその車椅子に乗り込んだ。
スミー「見てろよ、天才ども…!
『丸脚のスミー』、その凄さを見せてやる!」
メル「スミー…?」
そしてスミーは両腕で車椅子を操り、車の後部に移動する。そして、逆さまになった車を柔らかい両手で掴む。
スミー「能力!発動!!
『栄光の手(ハンズ・オブ・グローリー)』」
ボコン!!
スミーの右腕が突如、異常に膨張する。
スミーの左腕が突如、異常に膨張する。
スミーの血管が浮かび上がり、スミーの骨がミシミシと軋む音が、ハッキリと聞こえる。 両手で掴んだ部分がベコリと音をたててへこむ。
スミー「アアアアアア!!!」
メル「ええ!?」
スミーはその腕を思い切り、上に上げる。
すると何トンも有るだろう車が持ち上がったのだ。
メル「…う、嘘でしょ?」
スミー「ウワアアアアアアア!!!」
ズズゥゥゥン!!
車が上下逆にひっくり返り、元の状態で地面に着く。 車の天井はベコベコにへこみ、最早使えない状態ではあるが…ひっくり返った車は元に戻ったのだ。
メル「…アンビリーバボー」
スミー「スス、ごめんね…。
こんな事しか出来なくて…」
スミーはそう、車の中でグッタリしているススに謝ると、車のトランクを強引に開ける。
そこには、トロッコのような物が鎮座していた。ようなと書いてあるのは、連結器の上部に短いレールが付いているからだ。
普通のトロッコには絶対装備されない代物である。
スミーはトロッコのような物に装備された連結器と三輪車に装備された連結器をつなげようとしている。
その瞬間、メルの周りの世界がひっくり返った。
メル「…え?ここは…?」
メルは辺りを見渡す。
そこは確かにテントの中だった。外では激しい雨が降っているらしい。
ベッドは幾つもあり、その内の一つにスミーは横になっているのを見かけた。
メル「スミ」「大丈夫か、スミー?」
メルのすぐ横を、褐色肌の男性、セキタが通り過ぎる。ベッドで横になっていたスミーはセキタに気付いたのか、顔を向ける。
しかしメルには気付いてないようだった。
メル(そうか、『この景色』はスミーの記憶の…世界)
セキタ「大丈夫か、スミー?
寝ていたなら…」
スミー「いや、セキタ…今私は話したいんだ…ベッドに腰掛けてもいいよ」
セキタ「……」
セキタは黙ってスミーに背を向けたままベッドに腰掛ける。
少し軋んだ後、セキタは何も言わずスミーに背中を見せていた。 スミーが話し始めるのを待っているのだろう。
スミーはほんの少し、微笑んだ。
その笑みのままセキタに話しかける。
スミー「私の足…元に戻らないんだろ?」
セキタ「…いや、戻る。
足首は動くのだろう?車の運転くらいは出来るさ」
スミー「でも、歩けないんだろ?
もう一生、二度と歩けないんだろう?
足に力が入らないんだ」
セキタ「…歩けるさ…足首が動けるんだ、きっと足も動けるようになる!」
スミー「セキタお兄さんは、優しいね…。
だけど、私は違う」
スミーは目を閉じ、ギュッとシーツを握り締めた。
そして今まで溜め込んでいた気持ちを一気に吐き出す。
スミー「私は弱い。私は弱い。弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い!!
私は仲間を見殺しにした!
医療班のソロモン・グランティを守れず、私は足を撃たれて動けず、守る事が出来なかった!
そのせいで足の治療もろくにできずこのザマだ!」
セキタの背後で、スミーがゆっくりと起き上がる。セキタは相変わらず背を向けたままだったが、スミーが無理矢理首を掴んで向き合わせた。
スミー「仲間を見殺しにして!
足を撃たれて動けなくなって!!
おめおめと下らなく生きて、一体何の意味があるんだ!!
私を戦場に戻せ!
私は奴に復讐するんだ!
私に銃を持たせろ!私に爆弾を持たせろ!
私を」セキタ「スミー!!!」
セキタはスミーの両肩を勢い良く掴む。
暴走した心を落ち着かせるように、お前は今生きていると実感させるように。
スミーはそれでも自分を責める事を止めない。
スミー「私を死なせてよ…。
こんな苦しい世界で、生きたくない…」
セキタ「……。
ダメだ。父さん達と約束しただろ?
必ずサーカスに戻るって。必ずサーカスで生きるって。絶対に死なせるものか…死なせない!」
スミー「セキタ…そんなの、無理だよ。
私、仲間を殺しちゃった。
私、敵も殺しちゃった。
そんな血塗れの私が、
どうやってサーカスに戻れるというの?」
セキタ「方法は………あるぞ」
スミー「え?」
そこでスミーは初めて気がついた。
セキタの表情が少しだけ、明るくなっている事に。
セキタはスミーから少し離れてから話し始める。
セキタ「ススだ。
あいつはこの前、医学部を卒業したんだ。あいつを8888番隊に…俺たちの部隊に誘うんだ。
あいつはサーカスが好きだからな。
きっと、俺達の芸人根性を叩き直してくれるぞ。」
スミー「セキタ。 ダメよ。
そんな事したら、ススが私達と同じ目に…」
セキタ「いや、そうはならない。俺がそんな目に絶対合わせない!
何故なら俺は、あの偉大なるネクストラウンド・サーカスの一員であり、お前達の兄だからな!」
スミー「…馬鹿ね。セキタ。
でもそういうとこ好きよ、お兄ちゃん」
そう言って、スミーはほんの少し微笑んだ。その笑みはスミーが本当に久しぶりに浮かべた笑みであった。
外では激しい雨が、いつまでもいつまでも、降り注いでいた。
そして、また世界はひっくり返る。
ドカアアアアアン!!!
スミーの目線の先で爆発が起きる。
敵が、仲間の部隊を襲っているのだ。
メル「ここは!?
…戻ったの、悪夢の世界に…?」
スミー「なめるなよ、人殺し軍隊共」
メルはその声を聞いてハッとする。
そこには車椅子に座ったスミーがいた。
しかし車椅子の後ろには、武器を大量に積んだ先程のトロッコが連結されている。
スミー「なめるなよ、死の軍団。
私達は生きてるんだ。
地べたに這いつくばって、埃まみれになって、ズタズタに引き裂かれて、それでもしっかり生きてるんだ!
貴様等なんかに、私の仲間は殺させない!」
スミーは腕に有らん限りの力を込める。
スミー「能力発動!!
栄光の手(ハンズ・オブ・グローリー)!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます