才能のない残酷に潰される

全力で走った記憶はなく

嫌なことは途中で投げ出し

欲鳴る方へ 欲鳴る方へ 転がって

才能がほしいとすら思わなくなった


闘った末のぼろぼろの無様ですらない

なにも残らなかったただの無様が

僕の手のひらで鼓動している


ほんとうに欲しかったものは

なに一つ手に入らず

今日の僕が過去の僕を見下し

明日の僕も今日の僕を見下すだろう


消費者としての運命から抜け出せず

娯楽に浸って だらける日々


ステージに上がりたいと思わなければ

今のままで幸せだったのに

ねじれてしまった尊い価値観を

愛することもできないまま

損ない続ける嫌いな僕を

救ってくれる 他人が欲しい


僕はなにをほざいてるんだろう?


自分の弱さを認めてあげて

自分の無力を救えるのは

無力で弱い 僕だけだ

才能がない僕だけだ








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ないものねだりがすべてのはじまり 藤原翔 @Y227

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ