踏切
ここはあなたとの思い出の場所。
一緒に歩いた通学路。
まるで幻を見ているような感覚だった。
私の横を素知らぬ顔で横切る黒猫。
驚いた私は思わず声を上げる。
あなたと一瞬目が合う。
私は目を逸らした。
夕日のせいで景色が赤く見える。
暫くの静寂。
カンカンカン、と頭に響く警報音。
走り去る電車。
そうしてあなたは踏切を渡る。
「バイバイ」
手を振って駆け出すあなたを止められなかった。
私はいつも遅いから。
ちゃんと言えるようにたくさん練習した。
また明日ね、バイバイって。
心の中でいつも思ってる。
少し寂しい気持ちを夕日が吸い込んでいく。
この思い出は忘れない。
ずっと、永遠に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます