第35話 理性と感情
母親に対して毒を吐くな
親が子を想う気持ちがわからないのか
そんな素敵な正論を
よそから言われると、もにょりますねえー
頭ではわかるんです。
でも感情がそうはいかない。
昔から子ども自身は二の次という親には、子は毒も吐くがな。
学校で子どもが怪我したと聞いたら
怪我のていどより
授業はどうするのって親ですがな。
両親の正論は
契約社員を『社会人としてなってない』
25歳までに結婚しないなら『親として恥ずかしい』
結納、披露宴をしないなら『家に泥を塗る行為だ』
主婦は『この先の人生は破産しかないのに迷惑をかける』
子供は『2人いなければならない。でなければなんとしても作ること』
この両親ルールをわずかでも外れた私。
結婚は26歳。披露宴はしたくなかった(結局は実行したけど)。
看護師してたけど1人目出産前から10年以上主婦業。
(母のようになりたくなかったので、育児することを選択)
私が二人目を育てる自信がなくて、しばらく二人目は作らなかった。
これらに対して、両親はというと。
『お前は人でなしになりたいのか』『そんな恥ずかしいことしないで』
『早く二人目を作らないと。大変なのよ、かわいそうでしょう!』
『こんなにも親が子を想って言ってるのに、どうしてわからないの』
『あんたの親はちゃんとしてて良かったわねえ。そう思うでしょ?』
『どうしてわからないのかしら。あんたはかわいそうな子だわ、本当』
『いい加減にちゃんとしたらどうなんだ!! 顔向けできん!!』
ひとつも私の選択を認める言葉は言わず、断固拒否という言い方で
様々な言葉を吐き捨ててきました。
私の人生、私の責任でいいじゃないの。
細かいことでは、
私の披露宴パンフレットは父の言いなりで父の知り合いの印刷所に依頼。
私は紙だけを指定し、あとは手書きのまま印刷を頼みました。快く了承。
しかし父は私に『印刷所の負担を増やすな!!』と激怒してきました。
は? 負担? よくある紙の色を頼んだだけですが、
依頼することがそもそもの父ルール違反らしい。素でかなり驚きました。
依頼者は私なので、依頼通りにしてもらいましたが。
二人目を帝王切開出産退院直後の我が家に
義両親を泊めない(嫁もてなし無理・旦那も一緒に断った)と言うと
『不義理な嫁だ・実家に泥を塗るな』と夫婦で激昂して大騒ぎ。
(で、この時は泊めませんでしたし、お世話すべてきっちり断りました。
一人目の時で散々な目に遭ったので「来ないで」と両家に言いまくった)
そんな親に感謝なんかできるわけがない。
母親の想いに感謝することが当然、と他人から言われたら
上を説明すると、多少は静かになってくれるかもしれない。
でもここは我慢して
もにょったまま「親不幸ですんません」と笑うほうが
良いのだろう。その場だけの相手だし。
そりゃ私も母親に感謝したい。
だけど今までのことが重くてつらくて
感謝はおろか拒否が先走る。
こんな歪んだ気持ちなんて
私も持ちたくもなかった。
私だって「お母さん、ありがとう」って言えたら
「お父さん、ありがとう」って言えたら
言えないことが悲しくて情けなくて
言ったらそれこそ自分に嘘をつく
言えない、言いたくない、言わない。
これが自分だからしかたない。
笑うしかない。ははは。
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