第14話1番欲しかったもの

俺は親友よりも仲のいい存在が欲しかった。

 それが彼女という存在なんだと思っていた。

 俺はわがまますぎた。

 バカヤローだ。

 マミとは合わなかった。

 どちらかが合わせなければならない関係だった。

 そして、彼女は俺に面白さを求めていた。

 そういう俺も、付き合う女性の基準は面白いかどうかだ。

 同じものを求めて手に入るはずがない。

 でもなんだかんだいってけっこう悲しかったのは、マミと飲みに行った友達が、完全に彼女の肩しか持たなかったことだ。

 俺は否定しかしない。

 その話題でさっそく俺は食いついて反論してしまった。

 「ほら、また否定してる。それがいけないんだよ」

 肯定するしか道はなかった。

 僕の否定に関して彼もまた否定しているのでそれはどうなんだ、とも思ったがバカらしくて言うのはやめた。

 それこそまるで彼女に踊らせているみたいで悲しかった。

 俺はきっとこうなるだろうなとわかっていた。

 まずマミと2人で話し合った時点できっとこいつは彼女の味方になるだろうな。そう思っていた。

 だから俺は「彼女の言い分は彼女の意見でしかない。鵜呑みにしないでくれ」と言った。

 その時の友人の「もちろん俺はお前の肩を持つよ」という言葉にほっとしたのを覚えている。

 いや、もういい。

 やはり彼女には彼女の言う通りそういう才能があったのだ。

 味方をつけるスキルというか、話を誘導するスキルというか。

 彼女にはバカな1面もある。だが厄介なのは彼女自身それを理解しているところだ。

 自分のそういう1面をアイツは使ってくる。何よりこれはあいつが言っていたことなのだから間違いないだろう。

 酔っているから信用できる。もうそれが間違いである。

 サシの飲みだけはあかん。

 気をつけろ。

 って言っても、どうせ彼女の前じゃあ彼女の方が正しくなるんだから無駄だよな

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