第11話理由はキリがなくて
他の男に乗り換えられたにせよ。寝盗られたにせよ。俺がクズだったことに変わりはない。
いや、クズはいいすぎか。
できそこないだった俺は女心をまるで理解していなかった。
それでもってギャンブルはするし、授業はサボるし。
「彼氏のさせたいことを強制してやめさせたくない」
彼女の言葉だ。
もし彼女があの時、やめろと言えば俺はギャンブルをやめただろうか。
友人によく「言われたらそりゃやめるでしょ」と話していた。
どうだったのだろうか。IFのストーリーでしかないそれはここで語るだけ無駄なのかもしれない。
だが・・・・・・何よりもひどいのは俺が・・・・・・。
俺が・・・・・・
・・・・・・話すべきだろう。俺の非は全て明かさないと、フェアじゃない。ここで書かずに終われば、都合のいい過去しか残らない。
はっきり言う。
マミと付き合って半年の時。俺は風俗に行ってしまった。
昔、一緒にバンドを組んでいたメンバーと久しぶりにお酒を飲むことになった。
簡潔にいえばそいつは風俗にハマっていた。酔った俺達は歩いて風俗街を回った。
新鮮だった。新しい刺激がすぐそこにあった。
俺は1万円払ってした。
感想を言うと、ひどかったの一言に尽きる。
こういう感じだと思っていなかった。
いったい何がいいのか。
それこそオナニーと変わらない・・・・・・いやむしろついさっき会った他人と肌をつけなければならないというのが嫌だった。
じゃあなんで行ったんだよ!
・・・・・・知りたかったのだ。
知らない世界を。
謎を明かしたくなる。
秘密は暴きたくなる。
未知の刺激を、俺は求めていたからだ。
中学時代、恋を知らなかった俺が零番目の恋でその片鱗を知り、もっともっとという要求と共に新たな恋を求めた。
ぶれぶれで、心変わりの激しい飽き性の俺にも歪んだ芯が1本ある。
失うということを知らなかったおれは更に何かを求めつづける性格だった。
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