第8話初恋
俺の初恋は中学生の時だ。
異性に触れられてドキッとして、その時に電撃が走って恋だと思った。
でもその話は、今ではネタ話として語っている。
俺はその子に思いを伝えたくて、でも慎重に行きたくて。
クラスで1番イケていると言われていた友人に情報収集を頼んだのだ。
そして、結末を話せば、その友人が初恋の相手と付き合うことになった。
情報収集している間に恋に落ちたとぬかしていた。
しかし、そういうことはよくある話らしい。
似た話をよく聞く。
だがこれはあまりにもネタとして話しすぎたこともあり、そしてあまりにも早く決着がついてしまったために自分の中でこれを初恋とはしたくない。
だからこれは零番目の恋として片づけることにした。
俺の本当の初恋の相手、その名前は奇しくもマミ(仮名)の本名と一文字違いで一緒というあたり、変な縁を感じてしまう(当たり前だがそこに実は・・・的な要素は何も無い、はず)。
仮に初恋の相手の名前をユミとしよう。
ユミは静かでおしとやかな女の子だった。それでいて中学生のくせに発育やばいんじゃないか、というほど細いのに大きかったのだ。胸部が!
でもって話も合うから最高やん!とか思ってた。
あっちも自分に気があるという話を聞いて、ほんと有頂天だった。でも進級して、彼女とはクラスが別々になっしまったのだ。
うわあ、手紙も回されへんしアイコンタクトも届かんやん(マジで俺キモいと普通に思う)。とか思っていたら、変な噂が流れ始めた。
俺がユミとは違う全然違う奴のことが好きらしいという噂だった。
誰だよ!そんな噂を流したやつ!俺が隣の席の女の子を好き?そんなこと言うなよー。
当然ユミの耳にも入った。
聞かれた。
「あの子のことが好きなの?」
その頃の俺は嘘という概念を持ち合わせていなかった。
「そうだよ」
俺は正直にそう話した。
どっちも好きだった。
ブサイクのくせに二股かけていたのだ。おれは。
「そうなんだ」
彼女がうつむいて去った姿は頭に焼きついたままだ。
その時の彼女の表情は、悲しそうとかそんなんじゃなくて、ただただ無表情だった。
結局、彼女は俺のことを本当はどう思ってたんだろう。
でも友達曰く、俺の前を去ってからはずっと怒っていたらしい。
怒るということは、やはりそうだったということだったのだろうか。
ほんで、もう1人の好きだった相手(名前がマミの本名と全く一緒だった)とは不発に終わった。
周りに茶化されまくって俺自身がしょんぼりしたのだ。
それが中学最後の恋だった。
ブサイクが調子に乗った末路である。
・・・・・・正直な話をすれば、俺はただ恋がしたかったのだ。
零番目の恋のせいで、俺は恋愛というものを知り、そしてまた恋をしたくなったのだ。
恋に恋する調子にのっていたゴリラはそのまま受験シーズンに突入して、男子校に入った。
色恋沙汰とは無縁の3年間を過ごす。
でもなんだかんだいって、無縁だからこそ、彼女欲しいー!!!とはならず、めっさ楽しかったのである。
ほんと調子にのったキモい話をしてしまいました。申し訳ありません。
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