人の痛みがわからない人たち
こういうタイトルに連なる文章は大概サイコパスやソシオパスについての記述になる。しかし、私は声を大にして言いたい。貴方の隣に肩を並べる人間の多くは「人の痛みがわからない人間である」と。
それにはそもそも、人の痛みを共感する能力は如何、という話になる。少し前に流行った言葉で言うなら共感する能力、言い換えるなら、相手の立場に立ってものを見る能力だ。作家諸氏とってはキャラクターの掛け合いを作る時に必須の能力であるだろう。
だがこれは先天的に持つ能力ではない。小さい子とかくれんぼをしたことがあるだろうか。大体自分の頭のみを隠し、自分の視界がゼロになることで相手も自分を見つけられなくなるだろうと考える。もちろん年齢を重ねるごとに自分と相手が相互に視点を持つと知るようになる。
ここが重要なのであるが、この能力は使わなけれな成長しない。相手の身になって考える習慣なしには育たない能力なのだ。
汝の隣人を皆疑え、とは言わない。しかし相手の立場に立ってものを考えることをしないために、他人を傷つけて平気でいる人間はサイコパスやソシオパスと呼ばれる人間の総数をはるかに上回ると思う。
読者諸氏は気を付けてほしい。相手の立場に立ってものを考えられる人間を私は思慮深いと、優しいとそう思う。しかしその優しさは相手のことを平気で傷つける人間の前で自分を傷つけてしまう能力にしかならない。
相手の気持ちを汲めぬ者に、自分が傷つくことはない。それでも私は職業上、優しい人間に無遠慮な言葉が傷をつけた痕を多く見る。
「この人は信用できる人だろうか」という視点に加えて、「この人は人の痛みがわかる人なのだろうか」という基準を、読者諸氏が頭の片隅に引っ掛けてくれたら幸いである。
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