第18話

ルゥの歌声は、2人を嵐の後の澄んだ青空のような清涼な景色へと運ぶようだった。


「いいね」

「うん」

エドガーなどは時折手を止めて、目を瞑り、ルゥの歌声に聴き入っていた。


「実は、神殿ではほとんど毎日聖歌を歌う機会があるんです。昼の祈りの時間の後に巫女の皆で歌うので、わたしなどはまだまだです。もっと上手な人も沢山いて…」


恥ずかしそうに顔を手で扇ぎながらルゥは弁解するように言った。

「そんな謙遜することないのに。じゃ、ナーラの鼻歌を聴いたらだいぶ自信がつくんじゃないかな」

「エドガーくん?」


ナーラとエドガーのやりとりにクスクスと笑うルゥはとてもあどけない少女そのものだった。



しばらく、和やかなやりとりがあり、「よし」というエドガーの一声で、ナーラはニヤリと2人を見やった。


「わたしの腕の見せどころかな」

そう言って、ナーラはフライングキャットの腹を人なでするのだった。

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