第15話
「つまり、お坊さん?」
ナーラの声がエドガーの意識を戻す。
ルゥの顔を再び確認するも、陽の光は雲が遮り、そこには神々しさといった近寄りがたさではなく静謐さを湛えたほほえみがあるだけだった。
「どちらかといえば巫女の方ですかね」
ルゥがナーラの方に振り向いて訂正した。
「違いがわからん……」とナーラがエドガーの顔を見るが、エドガーもわからないので肩をすくめるばかりだ。
「それじゃ、ルゥ。なにがあったのかはひとまず聞かないけど、わたしたちはあなたをお寺に送ってあげればいいのかな」
腰に手を当ててナーラはニッと笑って尋ねた。
ルゥは眉を寄せ、言いにくそうな様子で、
「実はまだ神殿に帰るわけにはいかないのです」
と言った。
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