第13話

「じゃ、これからどうしよっか」

風防をガチャリと全開にして、ナーラがエドガー達の方へ振り向いた。

振り向いた勢いのまま、フライングキャットに身を乗り出して、両肘を機体にのせ掌であごを支える格好でエドガーに発言を促す。


エドガーは、ナーラの顔にどこか達成感と期待感を漂わせた楽しげな表情が浮かんでいるのをみてとり、彼女の悪い癖がでそうだなと自分の顔が少しだけ困り顔になってしまったのを自覚する。


んー、と一呼吸置いて、エドガーはクラゲに向き合った。


「まずは君が無事そうで良かったよ。よかったら、今度は君の名前を教えてもらえるかな。できたら空の上で何があったのかも話してもらえると、この先僕たちがどうするべきか考えやすくなると思うんだ」


そうそうさっすがエドガー、などとナーラが小声で茶々を入れてくるのをエドガーは無視した。クラゲは一瞬ナーラに気を取られるが、目線はすぐにエドガーに戻る。


空から落下してなお命があり、安堵を過ぎて、現在もまだ自分の安全について保証がないことに気づいたというようにこちらを警戒しつつ、命の恩ゆえの信頼を示すべきかと悩んででもいるようだった。

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