第12話

「あの……」

と、エドガーの腕の中からか細い声が発せられた。声の主は落下する人クラゲだった。


返事がないことに慣れているように、「あの……」と、同じような調子でまた声が上がる。


「良かった。無事、だったかな……? 」

ようやくのていでエドガーは声に応えつつ体をそろそろと起こした。


「あの、はい、身体に怪我はありません。ありがとうございます」


「よかった」


と、内部伝道管トンネルを通してナーラが感想を述べた。


腹の辺りから声が聴こえて、落下していた人クラゲはビクッと身体を震わせた。


「驚かせてごめん。今の声の人はナーラ。僕はエドガー。飛空艇の操縦士と整備士だよ」

「よろしく」


再び内部伝道管トンネルから声が発せられるも、落下していた人クラゲは今度はただうなづくだけだった。

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