3:邂逅、そして脱出

 背の高い木々が疎らに生えた森の中に、二人の女冒険者が黙々と歩いていた。


 一人はキア。

 職業クラスは近接戦闘を得意とする戦士である〈ファイター〉。

  褐色の肌に銀髪、赤い瞳。耳の先はちょっと尖っている。

 キアは非常に背が低い。その姿は小学生の女の子と見まがうばかりであり、パッと見れば誰もが彼女を子供だと認識するだろう。だが、壮小人族フェイタン平人族ヒューマンのハーフである彼女は実のところもう立派な大人であった。

 実際、その背の低さとは似つかわしくないメリハリのきいた体つきをしており、露出の多い鎧の合間から豊かな胸の谷間や肉付きのいい太ももが露出している。

 片手に自身の背丈と変わらない巨大な戦斧バトルアックスを持っており、それを引きずることもなく軽々と持って移動している。

 背中には様々な古びた武器や防具が丁寧に詰め込まれたリュックを背負っており、そのリュックの下から垣間見える銀色の三つ編みが、歩く度に尻尾のようにピョコピョコと揺れていた。


 もう一人、キアと並んで歩いているのがティティス。

 職業クラスはあらゆる知識に通じ、超常の力である魔法を操る〈メイジ〉である。

 金髪碧眼、そして横に伸びた長い耳はエルフという種族の特徴を如実に表している。

 そして彼女は非常に背が高い。身長は百八十センチを優に超えており、元々背の低いキアと並んで歩くと二人の姿が互いを引き立て合ってしまい、余計に背が高く見える。

 ティティスの身体にはスラリとした体躯には似つかわしくない巨大な胸がくっついており、それが歩くたびにどうしようもなくゆさゆさと揺れていた。

 腰の左に優美な装飾が施された木弓を、片手には何かの紋様が描かれた木製の杖を持ち、背中には大きなリュックサックを背負っている。


 二人はダンジョン内に存在する遺跡を探索して様々な魔導具マジックアイテムを回収した帰り道の途上にあった。

 そこそこの収穫を持って帰る二人は本来ならもっと嬉しそうな表情をしていてもいいはずである。だが、黙々と歩くキアの表情はことさらに固かった。


 歩みを止めることなくポツリとつぶやく。


「……何か、おかしい」

「確かにな。さっきからどうも様子が変だ」


 キアに同意したティティスは思案げに当たりを見回した。


「先ほどの地震から魔物が全く出てこない。それどころか獣の姿さえほとんど見ない。辺り一面に漂うこの静けさ。異様としか言い様がないな」

「……地震に驚いて、みんな逃げた?」

「ふむ。そうだといいのだがね。しかし今までにも散々地震はあったが、こうも静まりかえったことが果たしてあったかな」


 地震自体はそれほど珍しいものではない。

 キアとティティスが今いるダンジョンも含めてこの大陸では小さな地震など日常茶飯事だった。


「…………地震の前、わずかに気配を感じた気がする。ティティスは感じなかった?」

「気配? いや、すまない。気がつかなかったが」


 キアの言葉にティティスの眉がピクリと動いた。


「……強大な力。何かとてつもない大きな存在……」

「ふむ……」

「……でも、すぐに消えてしまった。やっぱりただの勘違いだと思う……」

「いや。キアはだからね。元々そういった気配には敏感だから、あながち間違いとも言い切れまい。あるいは何かがこの近くに降り立ったのかもしれない」

「……何かって?」

「それはやはり――――」

「待って!」


 突然、キアが立ち止まって辺りを警戒する。それに合わせてティティスも武器に手を掛けた。


「どうした、キア?」

「静かに! 何か聞こえた」

「……………………」


 二人は背中を寄せて周囲を見渡した。

 しばらくすると、ティティスの耳にもその何かが微かに聞こえた。


「なんだ? ……これは……悲鳴?」

「上っ!!」


 キアが勢いよく上を向くのと同時、断末魔の叫び声のような絶叫を響かせながら、緑の葉が生い茂る枝を揺らして、何かが空から落ちてきた。



◆◇◆



「――だあああああああああああああああああああああああああああああっ!!」


 慧介は粘着質の糸によってヘッジホッグスパイダーと結ばれたまま地上に向けて真っ逆さまに落ちていった。


 地面に激突して墜落死。ほんの数秒もない先の未来図を予想して気が遠くなる。

 だが、果たしてどんな奇跡が働いたのか、木の梢付近の柔らかな枝葉をクッションにして落下の勢いを殺した慧介は、ヘッジホッグスパイダーにつけられた糸が太い枝に引っかかったためにぐるぐると枝に糸を巻き付けながら高い木の枝の間に宙ぶらりんになる形となった。落下のショックと高速回転の影響で頭の中がぐるぐると回って意識は朦朧としている。


 一方でヘッジホッグスパイダーのほうはと言うと、慧介を捕らえる糸が枝に絡まってピンと張ったときの衝撃で糸を離してしまっていた。そのままきりもみ回転するように地面に落下したヘッジホッグスパイダーは不運にも背中から着地、長い針が地面に深々と突き刺さって身動きが取れなくなってしまった。


 いち早く、キアがヘッジホッグスパイダーの元へと歩み寄る。


「……なんで上から?」

「崖の上から落ちてきたのか? まさか我々を狙って飛び降りたわけでもあるまい。しかし、これはどうする?」


 ティティスの問いに答えるように、キアは巨大な戦斧を振り下ろした。

 一刀両断されたヘッジホッグスパイダーが淡い光に包まれる。やがて光は柱となって空に向かって一直線に立ち上り、その光が消えたとき、そこには数本の棘と糸だけが残されていた。


「……どうせ長くはもたない」


 言いながらキアはヘッジホッグスパイダーが残した戦利品を拾い上げた。


「まぁそうだな。全く、思わぬ落とし物もあったものだ」


 ティティスはそう言いながら上空を見上げる。


「真上に降ってこなくて良かったよ。こんなものが上から落ちてきたんじゃたまったものじゃないからね」

「……うん……」


 ティティスの言葉に頷きながらも、キアはどこか思案げな顔で木の上をずっと見つめていた。


「どうした? キア」

「……ヘッジホッグスパイダーはあんな風に叫ばないと思うけど」

「あぁ。確かに。悲鳴の主がさっきの蜘蛛だとはちょっと信じがたいな……。あれは人間の声のように聞こえたが……」


 そのとき、キアが見つめる先で、ガサリと枝葉が揺れる音が響いた。

 朦朧としていた慧介の意識がようやくはっきりしてきたのである。無意識に動かした身体が自らをぶら下げている枝を揺らした結果だった。


「うっ……――」


 閉じていた目を開いた慧介。段々焦点が合ってくるにつれて、自分が地面から遥か高い所にぶら下がっていることに気がつく。


「ひぇっ!?」


 慌てて身をよじったところ、それまでなんとか慧介の体を支えてくれていたシャツがとうとう限界を迎えてしまった。ビリビリと盛大に破れてすっぽ抜け、支えを失った慧介の体が宙に放り出される。枝にぶつかり、葉を揺らしながら、さらに下へと落ちていく。


「あっ! たっ! だあぁぁぁぁぁぁっ!?」

「――!?」


 再び上がった悲鳴を聞きつけてキアが駆ける。

 高い木の上からピンボールの球のように転げ落ちてくる黒髪の少年を視認。あっという間にその落下地点へと到達する。


「――ぁぁぁぁああああっ!?」


 ほとんど衝撃すら感じることなく、慧介は小さな女の子の腕の中に抱えられていた。いわゆるお姫様抱っこ状態である。

 あっけにとられている慧介を、大きな赤い瞳がまじまじと見つめていた。


「――えっ!? えっ!? はっ!?」


 混乱して今の状況が整理できずにいる慧介。

 何故自分は、自分よりも小さな女の子に軽々と抱きかかえられているのだろう?


「あの…………あ、ありがとう」


 わけがわからないながらも慧介がなんとかお礼の言葉を振り絞る。


「……どういたしまして」


 褐色の少女キアは、その愛らしい顔にやんわりとした微笑を浮かべた。



◆◇◆



 九死に一生を得た慧介はティティスに傷の治療を受けていた。

 回復ポーションを傷口にふりかけると見る見るうちに慧介の傷が塞がっていく。薬草とは大違いの効能である。


「手持ちがあまりなくて……間に合わせで申し訳ないね」

「いえ、そんな……ほんとに助かります」

「……うん。これでだいたいいいだろう。だが、完全に傷が癒えるまで少し休んでいたほうがいいよ」

「はい。どうもありがとうございます」


 朽ちて倒れた木を椅子にして座り込んでいると、付近の様子をうかがっていたキアが慧介の元に歩み寄ってきた。


「……あなた、冒険者?」


 唐突な質問。


「えっ……冒険者?」


 慧介はわけがわからない。そもそも自分の現状が何一つ把握できていない。


「まぁ待ちたまえ、キア。お互いのことを知りたいなら、まずは自己紹介から始めてみるのはどうかな?」

「……わかった。私はキア。キア・カルタクア。職業クラスは〈ファイター〉。冒険者をしてる」

「ふむ。私はティティス・エメラス・アストリエルという。クラスは〈メイジ〉。キアと同じく冒険者だ。今は彼女とパーティーを組んでダンジョンに潜ってる。……で、空から突然降ってきた君はいったい何者なんだい?」

「あ、はい。えっと……――」


 慧介は自分が目覚めてからこれまでのことをかいつまんで話した。

 自分自身、今の状況が理解できていないためにあまり上手く話せなかったけれど、できる限り正確に話したつもりである。

 ティティスは終始興味深そうに慧介の話を聞いていた。そして話が一通り済むと目を輝かせて手を叩いた。


「素晴らしい! つまり君は”まれびと”というわけだ!」

「はぁ……。あの、”まれびと”って何ですか?」

「うん。”ストレンジャー”とか”アウトサイダー”なんて呼び方をすることもあるが、つまりはこちらの世界とは異なる外の世界から迷い込んできた者たちのことだよ。今私たちがいるダンジョンの中は様々な異空間が複雑に絡み合って繋がっているというのが定説なんだが、そのせいかごくたまに異世界の人間を呼び寄せることがあるらしい。確か今までに数十人以上の”まれびと”の発見例が報告されているんじゃないかな。私も本物をこの目で見るのは初めてだが……」


 そう言ってティティスは慧介の顔を両手でがっしりと掴んでまじまじと観察しだした。


「……顔つきは我々とちょっと違うが、国や地域の差の範疇はんちゅうに収まる程度だな。極めて一般的な平人族ヒューマンといった感じだ。特に変わったところもなさそうだが……」

「あ、あの……ちょっと……?」


 金髪碧眼の美女、しかもエルフに間近で見つめられて、慧介は緊張で胸がバクバク言い出すのを感じていた。

 しかも近過ぎる。女性とこんなふうに間近で顔をつきあわせたことなど今まで一度もない。

 見つめ合う程の度胸がないために視線が自然に下へと向かう。そこで慧介の心臓がドクンと一際大きく跳ねた。

 驚愕に目を瞠る。


 ――でかっ!? えっ、何これっ!? 本物っ!?


 治療を受けていたときは体中に走る痛みでいっぱいいっぱいだったから気がつかなかったのだが、ティティスはそのほっそりとしたボディラインに比して胸だけが余りにも大きかった。慧介は今までこんなものすごいものを見たことがない。

 思わず視線が釘付けにされてしまう。


 すると、傍らで二人の様子を見守っていたキアが、無遠慮な仲間をたしなめる。


「……ティティス、初対面の人に失礼」


 そう言われてティティスがようやく我に返った。

 慧介の顔を掴んでいた手を離して解放する。


「あぁ、すまない。どうも興味が湧くと少し周りが見えなくなることがあってね。許してくれ」


 そう言うティティスは慧介の不埒な視線に全く気がついたふうもなかった。慧介はとりあえずほっと胸をなで下ろした。

 ティティスは腕を組んで何事か思案し始めた。大きな胸が腕を組むのにとても邪魔そうだ。


「ふむ……。しかしケイ。あ、ケイと呼ばせてもらうよ? 君はこれからどうするつもりなのかな?」

「え――。いや、それは…………。え? どうすればいいんだろ…………?」

「ふむ。わからない、かな? あぁ、そうだ! 君が最初に目覚めた場所! だいたいでいいからどの辺りかわからないかな?」

「いやぁ……どうかな。一面木ばっかりで何の目印もなかったし……。崖の上の森のどこかなのは確かなんですけど、追いかけ回されてメチャクチャに走ったんでちょっと……。多分、あっちらへんだとは思いますけど……」


 慧介はなんとなくあの辺りかなと思うところを指さした。何の根拠もない。ただの勘である。


「そうか。まぁ、悩むよりも行動してみたほうが早い。どうかな? 今からちょっと行ってみないか?」

「え? 俺が最初に目を覚ました場所にですか?」

「あぁ。そこに行けば君がここに来た理由に関わるヒントがあるかもしれないだろう? それに、もしかしたら……まぁ、これは本当にもしかしたらというごく小さな可能性に過ぎないわけだが、ひょっとしたらそのまま元の世界に帰れるかもしれないのではないかな?」

「えっ!? 元の世界にですか!?」

「うん。どこかから出て来たというのなら、そこに入るところがあってもおかしくはないだろう? 善は急げだ。まずは行ってみようじゃないか。実は我々も、ちょっと気になることがあってね」

「……? 気になること、ですか?」

「あぁ」


 ティティスが笑みを浮かべてキアを見ると、キアもこくりと頷いた。



◆◇◆



 ティティスの【浮遊レビテーション】という魔法によって、慧介は再び崖の上へと戻ってきていた。


 そのままティティスの先導に従って森の中を進んでいく。

 ティティスは微笑を浮かべながら何かと語り合いながら先に進んでいるように見えた。


 慧介はティティスの邪魔をしないように注意しながら、隣を歩くキアにそっと尋ねてみた。


「ねぇ、ティティスさんは何をしてるの? 誰かと話してるみたいだけど」

「……精霊と話してる。エルフの一族は生まれながらに優秀な精霊使いだから精霊と仲がいい。ケイが森のどこから来たのかを尋ねてるんだと思う」


 慧介は辺りを見回してみたが、どちらを見ても緑の木々が生い茂っているばかりで違いなど全くわからない。しかし精霊には慧介がどこから来たのかちゃんとわかるということだろうか。その精霊とやらの姿も慧介の目には全く見えない。


「なんか、すごいね……」

「……うん。ティティスはすごい」


 仲間のことを誇らしげに語るキアに慧介も思わず頬が緩んだ。

 二人はとても信頼し合っているのだろうなと素直に思えた。


 道中二度ほどボールスライムが現れたが、どちらもキアが一瞬で真っ二つにしてしまった。

 光に包まれて消えるスライムの死体を目の当たりにして慧介は驚いた。あとにはプルプルしたゼリー状の物質が残るばかりである。


「どうなってんのこれ!? 消えちゃったんだけど!?」


 スライムの横にウィンドウが出るのもゲームみたいだと思ったが、倒すと死体が消えてしまうというのもまた、まるでゲームの世界にでも入り込んだかのようだった。


「……魔物を倒すと自動的に契約した神様に供物として捧げられる。ケイの世界には神様はいないの? それとも、魔物がいないの?」

「あぁ~なるほど、そういうシステムなんだ…………。そうだね。神様も魔物も、どっちも俺は見たことないかな」

「……そう。神様も魔物もいない世界なんて、なんだか不思議……」

「はは。そうなのかもね」


 慧介にとってはこちらの世界が非日常だが、キアにとっては慧介の世界が非日常的世界なのだ。


 時折会話を交わしながらも森の中を進んでいく。慧介が一人で歩き回っていたときは相当の距離を進んだような気がしていたのだが、目的地には思ったよりもあっさりとたどり着いた。どうやら慧介は真っ直ぐ進んでいるつもりで同じところをぐるぐる回っていたらしい。


「ここが、ケイが目を覚ました場所らしいよ」


 立ち止まったティティスが地面を指し示した。

 少し湿った土の上、何かが動いたような痕、そして自分の靴痕がはっきりと見てとれた。


「……確かに、間違いない。俺、ここで目を覚ましたんだ……」


 慧介は周囲をぐるりと見回してみた。右を向いても左を向いてもあるのは木ばかり。他には何も見当たらない。


「キア、どうだい? 何か感じるかな?」


 ティティスが尋ねる。

 キアは目を閉じて何かに集中しているようだった。

 数秒ほどじっとしていたが、やがてゆっくりと目を開くとふるふると首を振った。


「……何も。何も感じない。ここには何も残ってない」

「ふむ。やはりそうか。精霊達も特別何もなかったと言っている。ただ、突然霧が立ちこめて、気がついたらそこに少年がいたんだそうだ」


 慧介はティティスとキアが何かを知っているかのような話をしているのが気になった。


「あの、ティティスさん。さっきから二人で何の話をしてるんですか? よければ俺にも教えてもらえませんか?」

「あぁ、すまない。たいしたことではないのだがね。君と出会う前の話さ。実は、ちょうど君が現れた場所の方角、つまりここの辺りから、キアが何か大きな気配を微かに感じたらしいんだよ。もしかしたら君と何か関わりがあるんじゃないかと思ったんだがね。残念ながら何の痕跡もないらしい。どうやら現時点では気のせいだったと判断するしかなさそうだ」

「何かの気配……ですか?」

「うん。まぁ、そのことはとりあえずはいいだろう。何も手がかりがない以上、これ以上話しあったところで無駄なことだ。それよりケイ、どうかな? ここに来て、元の世界に帰れそうな雰囲気はあるかい?」


 問われて慧介は再びぐるりと周囲を見渡してみた。

 次いで出てきたのはため息である。


「……何も。何もないです。ここから地球に帰れますよって言われても、ちょっと意味がわからないですね」

「ふむ。やはりそうか…………。で、あれば、だ! 仕方があるまい! とりあえずは帰るとしようか。ここに長居しても、何も得るものはなさそうだしね」

「……うん。急がないと、日が暮れる」


 キアとティティス、二人が早々に家に帰る算段を整えてしまい、慧介は途方に暮れた。見るからに情けない顔を隠す余裕もない。すがるような思いで二人に尋ねた。


「あの……すいません。二人にこんなことを訊くのは筋違いだとはわかってるんですけど、俺、これからどうしたらいいんでしょう……?」


 するとティティスは一瞬不思議そうに慧介を見たのち、その端正な顔に笑みを浮かべた。


「何を言っているんだ、ケイ。君も我々と一緒に来るんだよ。それとも何かい? 君は今日からこんな物騒な森の中で暮らしていくつもりなのかね?」

「え……い、いいんですかっ!?」

「いいも何も、こんなところで道に迷っている少年を見捨てて帰るほど我々は薄情な人間じゃぁないつもりだよ。無論、君が我々と同行するのを是が非でも拒絶すると言うのであれば無理強いはできないがね」

「い、いやっ! ないないっ! 全然そんなことないです! 是非お願いします!」


 こうして慧介は、偶然出会った二人の冒険者に保護されて、ひとまずは無事にダンジョンを脱出することができた。

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