第25話「にゃあ♪」
お話を読む前に今15階層に居る人たちを確認しよう!
アユム:主人公。命を繋ぐ仕事と言う意味での農業が好き。マイペース。
アームさん:モンスターの駄猫。最近『にゃあ』とかいってる。あざとい。
ワームさん:草喰いねぇ!土喰いねぇ!農家の味方のモンスター
ぴょん太:弟子以上師匠未満。捨て犬がいると拾ってしまう漢うさぎ
マール:女性料理人。サントスが仕事しなくてイライラがたまっている
セル:アユムが気になるけど素材屋が忙しい。サントスが仕事ためまくったからだ…
サントス:筋肉ダルマがうざくて仕事が進まない
ダルタロス:飲食業協会の代表としてダンジョン作物を試食中。値段交渉したくてたまらない
ジロウ:ダルタロスと色々と黒い商談をしている。直接交渉?ふふふ
メアリー:女風呂改修中。覗きは死刑
ギュントル:サントスの筋肉にダメ出しをして技を授ける。チカリの怒りゲージがMAXになっている気配を察して観念して自首するために15層を離れようとしている
他師匠5名:村を拡張中
グールガン:酒を造るドワーフ。アームさん好きでチカリん親衛隊NO37
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アームさんは決意を固めた。
「がう(ニート卒業宣言!)」
「ボッ(まさか!そんな喰っちゃ寝以外仕事らしい仕事していなかった大将が役に立とうというんですか!!)」
驚愕するワームさん。
「がう(まずは収穫のお手伝いをする!!!)」
バキバキバキ
「ボッ(お早いお帰りで…)」
「がう(一仕事終えた後のリッカジュースは染みるぜ~)」
「ボッ(…えー、トウモロコシ8本ぐらい踏みつぶしてアユムんに怖い笑顔で怒られてませんでしったっけ?)」
ワームさんの言葉に視線を外すアームさん。
「がう(今度はムフルの木の剪定だ!)」
「ボッ(え~ニートの方がフロアの為のような……あ~、行っちゃった)」
バキバキバキ
「ボッ(お早いお帰りで……)」
「がう(一仕事終えた後のリッカジュースは……ひぐっひぐっひぐっ。俺だって役に立ちたいんだ!!)」
「ボッ(……大将は家主なんだからどんと構えてていいんっすよ?)」
いつもなら楽な道を選ぶアームさんだが今日は粘る様だ。
「がう(アユムお仕事頂戴♪)」
「アームさん……仕事か……」
色々ある。だが、専門性が高い物が多くお任せできる作業は……。
アユムはマールを見るとマールは状況を確認してうなずく。
「NO1入りまーす!」
「にゃあ」
「マスター!アームさんにトウモロコシ1本入れてくれ」
「にゃあ~♪」
はい。適職がありました。
豪快に金を払うグールガンにおねだりをするアームさん。
先日よりこっそりと『お食事処まーるinモフモフ』と店名が変わっているがモフモフとはアームさんの事だ。
「ボッ(アユムん……大将がフロアボスって覚えてます?)」
「うん、辛うじて」
笑顔で言うアユム。事実でも笑顔はいかんと思う。
「ボッ(アユムん……大将最近『にゃあ』とか言ってますけど正直きもいです)」
「う~ん、僕としてはかわいいと思うけどなぁ」
笑顔のアユム。他意はない。
「がう(可愛いとか言われた♪)」
「マスター!アームさんにリッカジュースを!」
気を引こうとやっきになる上級冒険者。万能ゆえに孤高の冒険者グールガン(26)。意外と若かった。
リッカジュースが運ばれてきてたが、アームさんは照れて気が向いていない。
その注意がジュースに向くまでの一瞬の間に、グールガンはジュースに薬を溶かし込む。
アームさんは本気で照れている様子でそれに気付かない。
結局その後何事もなく夕食を迎え、アユムは恒例の暗闇修行、その間にグールガンがアームさんをお風呂に入れる。
アユムの修行風景に思わず腰を抜かしたセルの肩をジロウが叩き、そしていい笑顔で『お前もそろそろいい時期だな』と言われ、思わずセルの悲鳴がフロアに響き渡ったが、きわめて平和に1日が過ぎた。
その翌日。
ギュントルが1日という約束での滞在期間を終え帰宅する朝。
権兵衛さんとアユムが早朝作業を始めたその時。
15階層に 白い魔獣 が現れた。
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