そうは言っても公募に出さないほうがいいものもある

 公募基準で考える人と、WEB小説基準で考える人の書くものは、いろんな意味で異なる点が多い……ような気がします。

 まず、公募には基本的に規定枚数――この場合は「上限」があります。

 はい、WEB小説の人気作を見てみましょう。20万字超えは当たり前。平然と100万字超えてる作品もあります。

 公募上の定義の「長編」が、「短い」と言われているのが現在のWEB小説なのです。

 というわけでまず、WEBの常識の下で書いた作品は、送らないほうがいいでしょう。そもそも量が多すぎて規定オーバーになるのが大半でしょうけど、上限なしの賞もあるにはあるのですが、それだっていわゆるWEB小説を受け入れてくれるか……。

 公募では送られてきた作品は、一つの独立した作品として評価されます。そのためその作品だけで、規定枚数内できちんと完結していなければ始まりません。

 ここで重要なのは、「自分内シリーズ」の危険性です。

 続編を匂わせるような描写が第一の問題ですが、それ以上に(ここから自戒)自分のこれまで書いてきた作品とのリンクを張るような行為はやめたほうがいいです。

 私がネットで公開している作品は、一発ネタを除き大抵が作品間でリンクを持っています。というよりずるずるとできあがってしまった世界観内でしか話を書けないような状謡に陥っていると言っても過言ではありません。

 それは元々ネットで公開する前提で作品を書いてきたというのも関係しているでしょう。実際、ネットで公開してから、非公開にして公募に出すというパターンばかりでした。

 で、そのパターンで一次選考を通ったことは、一度もありません。

 そういうノリは、ネット上だけにとどめておく――これを理解できるまでに、かなりの時間を要しました。

 自分の中でシリーズ化するという行為は確かに楽しいですが、それを公募に出すのは単なる自慰行為でしかありません。

 自分で言ってて悲しくなってきたので、今回はこのへんで。

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