いざ応募! の前にもやらなきゃならないことがある
応募要項、応募規定を熟読しましょうと言いましたよね?
きちんと読めば、原稿以外にも書かなければならないものがあることに気付きます。
あらすじとエントリーシートです。
あらすじ(あるいは梗概。意味は同じ)は、応募する作品の始まりから終わりまでをきっちり簡潔にまとめたものです。
ネット小説の表紙文である場合のあらすじとは違い、とにかく作品の内容を全て開示する必要があります。そもそも応募する作品というのはそれだけで一つの物語が決着していなければならないので、匂わせるような書き方は絶対にしてはいけません。だってあらすじを読む人は本文も全部読むんですから。宣伝文句など論外です。
ミステリーであろうと、トリックや犯人もきちんと書かなければなりません。どうしても抵抗がある場合は「以下ネタバレ」という一文を添えるといい――と言われていますが、ぶっちゃけそんなことに抵抗を感じていては始まりません。
最近では賞のページに「あらすじとは」と注意が書かれているところも多いです。そのくらいあらすじを勘違いする人が多いということでしょう。
また、あらすじはページ数ではなく文字数でカウントする場合が多いです。何文字程度と書かれている場合、「程度」というのは大体その文字数のプラスマイナス1割以内と思っておけばいいでしょう。
あらすじを書くのは、はっきり言って難しいです。
なぜってあんた、大体10万字ある話を、少ない時には800字でまとめなければならないんですよ!? 筆者が最初に応募した時は2万字程度の短編を送ったんですが、それですらあらすじの規定文字数内に収めるのにひいひい言ってました。
コツとしては、物語の骨子だけをスパっと抜き出すこと――要は起承転結だけを装飾をせずに書いてしまうことでしょうか。
あらすじに求められるのは、本編をいかに簡潔に纏めきれたかということ。なので文章の美しさやそれ自体の面白さなんていうものは度外視して構いません。あらすじだけ読んで本編を読まずにポイ――なんてことはないので安心しましょう。(多分)
重要なのはあくまで本編。なのでぶっちゃけあらすじの存在理由がわからないというのが本音です。実際、あらすじを添付しなくてもいい賞もありますからね。
だからと言って規定にあるのにあらすじを添付しなければそれは規定違反。土俵に上がらせてもらえません。また、一説には多数の応募原稿を整理(頭の中含む)する際に必要な資料という側面もあるそうなので、同封と書かれている場合は頑張って書きましょう。
で、「エントリーシート」と書きましたが、普通は賞の規定にそうは書かれていません。
氏名・年齢・略歴・住所・電話番号などを書いて同封すること――この個人情報のことです。
ここで一番頭を悩ませる人が多いと思うのが略歴ですが、これ、死ぬほど短くて構いません。最終学歴だけ書いておけばそれで大丈夫です。
賞への応募歴も要求される場合がありますが、「最終選考落選くらいじゃなきゃ書く必要なし」と言う人や、「一次選考落選でも書いておくとよし」と言う人がいて、正直正解はわかりません。
私の場合は一次選考落選を書くとそれだけでエントリーシートが埋め尽くされてしまうので、自分で「これはちょっといいとこまで行ったかも」と思った応募歴だけを書いています。
あと、ネットで公開した作品である場合、それを明記しておくことも必要です。エントリーシートの最後にでも書いておきましょう。
また、賞へ応募している間はネット上での公開を停止する必要がある賞が圧倒的に多いです。カクヨムなら全エピソードを下書きに戻し(一括でできるようにしてくれ→してくれました)、なろうなら作品を削除する必要があります。なろうの「検索から除外する」というのはあくまでなろう内だけで、外部の検索エンジンでは普通に表示されます。マジでちゃんとした非公開機能開発してくれ。
また、ネットで公開した時点で未発表作品とみなされなくなり、規約違反となってしまう賞もかなりの数存在するので、公募を目標に作品を書く場合はネットで公開するかどうかの判断は慎重を期してください。(応援コメントより追記。コメント感謝です)
そんなこんなで準備ができたらいよいよ応募に踏み切りましょう。次項につづく。
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