舞台の上で輝く君
@yonyaki
第1章
「みて、凄くかっこよくない?!」
「やばいよ。イケメン過ぎる...!」
「モデルさんかな?」
今、俺のとなりにいる兄に向けられた言葉だろう。
『お兄ちゃん、皆、お兄ちゃんのことみてるよ。』
「ああ、お兄ちゃんは格好いいからな!」
本当に、人形のように美しい兄に憧れて
優しい兄が大好きで
お兄ちゃんが俺のすべてだった
「偉いね」って 俺を撫でる手
俺に見せてくれるすばらしい笑顔
「俺さ、決めた!」
『なにを?』
「俺、アイドルになる!」
そのときからお兄ちゃんは、必死に頑張った。
俺といる時間も減った。
だけど、夢に向かって頑張る兄を応援したい。
『お兄ちゃん、がんばって、俺応援してるね!』
「おう!ありがとうな!由希!」
『俺が、お兄ちゃんのファン第一号ね!』
「もう、俺の弟可愛すぎっ!!愛してるよー!」
『えへへ』
「神凪さん、今日は雑誌の撮影と、音楽番組だけですよ。」
『解りました。』
毎日休む暇もなく
1日何個もの仕事をこなす由希にとって
今日の仕事はとても少なく感じるだろう
『さて、もうそろそろだね。』
ひとり、呟いて
今日の共演者にご挨拶に行く。
ノックしたあと
すぐに返事が来たので
部屋にはいる。
『失礼します。Re:valeさん。』
百「こんっにちはー!!由希!!今日はよろしくね!」
『あ、はいっ!よろしくお願いします!』
千「こら、由希がビックリしてるでしょ。急に抱きついたらダメ。と、よろしくね、由希。」
『はいっ!よろしくお願いします!
...それにしても、』
百「うん、すっごく、久しぶりだねぇー!!元気にしてた?」
千「そうだね。久々に由希と共演できて嬉しいよ。」
『ふふっ、俺も。凄く嬉しいです!!』
絶対的な王者と呼ばれるこの3人。
共演するのは久しぶりで、視聴率も過去最高になるだろうと予測されている。
千「それにしても、相変わらず可愛いね。」
『可愛いって...』
少しムスッと顔を膨らませる由希。
...ちゅっ
『......っへ?』
百「へへー!キス、しちゃった!
由希があまりにも可愛いから!つい!」
唖然とする由希を他所に百は笑う。
千「じゃあ、僕も。」
『え、いや...』
千「なに?百はいいのに僕はダメなの?」
シュンと肩を下げる千に少しの恐怖を覚えた由希。
『や、そう言うわけでは...ない、けど。』
千「じゃ、いいよね?」
詰め寄ってくる千。
『え、...う、うん?(いや、よくないよ!!何で頷いてるの俺?!)』
"ちゅっ"
『...っ、ふ..は。』
"ちゅく"
千の舌が由希の口の中をなめあげる。
千「っん」
『はぁ、』
....
百「長すぎたよ!!しかも舌いれるなんて!!ずるい!!」
いや、突っ込むところはそこなのか...と内心思う由希。
千「いいじゃん。百だって、止めなかったし...。」
百「そ、それは...(だって由希が凄く可愛くて...もっと見てたかった。なんて、言えない!)」
その時コンコンとノックが響いた。
「もうそろそろ時間です。」
それに一番早く反応したのは由希だった。
すぐにでもこの状況から脱出したかったのだろう。
『はっ、はい!!すぐに行きます!!』
由希の勢いに少し驚くスタッフだったが特に気に止めることはなかったらしい。
舞台の上で輝く君 @yonyaki
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