第16話 Last Weapons 『Piercing Strike』
出雲と生駒は第一倉庫と呼ばれる場所で新武装の実験を繰り返す。
出雲は頼んでいた品を生駒から受け取り、性能を直ぐに確かめると驚嘆するように声を上げたのだが、満足そうに笑みを浮かべる出雲に生駒はなにやら不敵な笑みを返してくるのだった。
――re:write―――
「ふっふっふっ―――」
生駒は片方の口角を上げると、多少邪悪に見える含み笑いを出雲の目の前で繰り返す。
出雲は生駒の邪悪そうな笑みから何やら嫌な予感を感じとったのか一瞬で真顔に戻ると、突然ストレッチするように腕を反対方向に引っ張り腰を捻りだす。そして、屈伸、伸脚と何やら不審な動きを繰り返すのだった。
「――だからさー、僕にもご褒美と言うかー――ちょっと出雲君! 僕の話聞いてる?!」
「聞いてる聞いてる」
出雲は生駒に言葉は返しはするが顔も合わせない返事は誰が見ても明らかな程いい加減で、ストレッチするような動きも止めようとしない。
生駒も返事は返してくるが一連の出雲の行動を不審に思うと、眉を寄せた怪訝な表情で見つめる。
「ほんとに聞いてるー? …まあ、聞いてんならいいけどさー」
「聞いてるって。――で、要件は?」
「ああ、うん。まだ、
一瞬。正に一瞬。
生駒が全容を語るより早く、出雲は野生の獣のような感覚で危険を察知すると、刹那すら感じさせない程の流れる動きで
「あっ!!」
「クイックアンドレスポンス、クイックアンドレスポンス―――」
最早その動きは捕食者から逃げ去るインパラの様で生まれ持った生存本能をフル活用すると、脳から発する危険信号を神経バイパスし筋肉へ直接伝達しているような動きで走り去る。うわ言のように繰り返す「迅速対応」と言う言葉も、自身の命に迫りくる死神の鎌を逃れる為、仏に加護を求めた念仏の様だったのである。
「逃げるなーっ!!」
「命を狩り取られてたまるかぁああ!!」
「待って! 待ってよおー!」
生駒は懇願するように自身の腕を前に伸ばし叫ぶのだが、出雲は知ったこっちゃ無いと言わんばかりの態度で倉庫の出口に向かい駆け抜けるのだった。
「
「
「
「ちょちょちょっ!! 何か聞いたことあるようなセリフを英語で言われても、行っちゃえ出雲! とはならないよーー!!!!」
出雲は集中するように言葉を呟き駆け抜けると、出口の前で無理やりブレーキを掛ける様に地面を滑ると摩擦音を鳴らし動きを止めた。そして、再び
「おっ前ぇ!
出雲は多少興奮した様子で倉庫に響き渡るような声で生駒に文句を言いいながら多少乱れた息を整える様に上下に肩を動かす。
「だ、大丈夫だよっ!! 基準はそれなりに満たして――」
「それなりって、なんだよっ!! エンジニアを殺す気満々のセリフ言うんじゃねーよっ!!」
「ちっ、違うよ!! 威力が分からないだけで、使用者には――」
「――にはってなんだよー!! なんか問題があるからそんな対比するような言葉使うんだろーがぁああ!! お前ら
出雲は今までの
言われ放題の生駒だが全く的違いとは言えない出雲の反論に悔しそうに顔を歪ませると、力強く瞼を閉じ天井を仰ぐのだった。
「くぅぅうー、言わせておけばぁ!! 僕だって現場が少しでも円滑に、安全に、楽になるように思って――」
「――だったら!
「むきぃぃぃ! クソォぉお――」
生駒は白い歯を見せる位に奥歯を噛みしめると、やり場の無い怒りをぶつける様に悔しそうに地団駄を踏む。いかにもなリアクションを取る生駒に出雲は勝利を確信したのか、勝ち誇ったような笑みを浮かべた後、馬鹿にしたように舌を横に飛び出させるのだった。
「ばーーか!! 少しは現場の気持ちが分かったかっ!」
「きぃぃいぃ!!」
「悔しかったら自分の胸の豊胸器具でも開発してろバーカ!」
「にぃぃぃぃ!!」
生駒は思いっ切り地面を拭きぬくようにして1回地団駄を踏むと自身の太腿を拳で何度も叩きつける。そして、自身の悔しがる顔を隠すように項垂れるのだった。
「振動ドリルでも自分の股間に突っ込んで発散してろ貧乳!」
出雲は口に両手を添え捨て台詞と言わんばかりに暴言を吐くと、最後と言わんばかりに悔しそうに
「――なーーーんてね☆」
生駒は酷く口元を歪めた笑みを浮かべると「してやったり」と言わんばかりに首を傾け出雲を見下す。
「えっ?」
『ガシャン』
出雲が生駒の表情に気を取られた瞬間、後ろで何かが勢いよく閉じたような金属音が鳴り響くと、出雲はその音に体をビクつかせた後、慌てて後ろを振り変える。そして、振り返った先にあったはずの出口が分厚い壁の様なシャッターで強固に閉じられている事に気づくと呆然とした表情で声を漏らしたのだった。
「えっ? …えっ?」
「反論できない振りすると、すーーぐ調子に乗るんだから。油断し過ぎなんだよ出雲くーーん。第一倉庫は僕の庭だぜ、ふふっ」
生駒は勝ち誇ったかのように自身の右手に持つ長方形のリモコンデバイスを右手で軽く上に放り投げては掴みを繰り返す。生駒の態度を見た出雲は全身から冷や汗が噴き出るのを感じると、直ぐに閉じた防壁に向かい最後の抵抗と言わんばかりに両手で叩くのだが、幾ら叩けどむなしく鈍い音が周囲に響くだけだった。
「帰して! 帰してよぉお!!
「無駄だよ出雲君。対
生駒は出雲に声を掛けながらウインクするとゆっくりと足音を鳴らし出雲に近付いていく。そのコツコツと迫りくる足音に出雲は恐る恐る後ろを振り返るのだった。
「元請けは元請けで色々苦労してんるんだよ。出雲君みたいな文句ばっかり言う奴のの舵取りもしなきゃいけないしさー。
「お、おっ、おのれ生駒ぁあああ!!!!」
「最後まで何があるかわからないんだ。勝利を確信なんて出来ないんだぜー、出雲君。そんなんだから利用されるんだよバーカ! べー」
眉間にしわを寄せ叫ぶ出雲に生駒は近付きながら言葉を返すと、お互い手が触れれる距離になるとお返しと言わんばかりに馬鹿にしたように舌を出したのだった。
「つッ! あぁん?!! お前あっったま来た!!」
「おーぉぉ! やるか―!! こっちだって鬼とか貧乳とか言われてムカついてんだぞ!」
そして―――
お互い近距離で罵りあった後、服のつかみ合いに発展するのであった。
拳で殴ったり、安全靴で蹴ったりこそ無いものの、男と女とか関係なく、髪を掴んだり、頬を潰したり、挙句噛みついたり、閉鎖空間で最早お互いもみくちゃになったのであった。
ただ、お互い本心で相手を嫌ってはいない為、時間経過と共にお互い「何してんだろう?」と疑問符が浮かび上がると、真顔に戻り二人で床に腰を降ろすのだった。
♢
「……もう、僕。服がビロンビロンなんだけど……」
生駒は掴みあったせいで伸びてしまった自身の身に着けるタンクトップの胸元を下唇を出した悲しそうな顔で見つめると、出雲もその声に反応するように生駒にチラッと視線を合わせる。そして、視線を戻すと自身の二の腕についた歯型を不機嫌そうな顔つきで見つめるのだった。
「知らねーよ、お前が掴むからだろっ。――歯形つけやがって。ワニかっ!!」
「…少し動いたら、おっぱい見えちゃいそう…」
生駒は恥ずかしそうに胸元を両手で抑え、少しだけ赤面する。
「誰も見ねーよ! 見えてもお前の平たい胸じゃ、食べこぼしが胸についてる位にしか思わねーよ!」
「………ムカつくなー、その言い方。言い方あるだろっ!」
「あぁ?」
生駒は出雲に不快にそうに眉を顰めた顔を合わせる。
出雲も一瞬目を尖らせて生駒を見返すが、溜息と共に直ぐに自身の両目を両手で覆うと気持ちを切り替える様に自身の前髪をかき揚げるのだった。
「――ってもう、やめるかー……。マジで忙しいから事務所戻んねーといけねーし。はぁーー」
溜息ともに項垂れた出雲に生駒は視線を合わせる。
先程までは気が付かなかったが、よく見れば顔や捲り上げている腕には擦り傷や打撲痕が多数見受けられる。長く伸ばした左のもみ上げをかき上げた際に見えた目の下にも、出雲の忙しいと言う言葉を現すように燻ぶったような
出雲の現状を理解した生駒は手繰り寄せた膝を両腕で抱えると落ち込むように少しばかり項垂れるのだった。
「………ごめんよ。忙しいのに
今までとは違い潮らしくなった声を出し謝る生駒に、出雲も少し申し訳なさそうに眉を垂らした顔を合わせると目尻を下げた優しい眼差しを向けるのだった。
「…いいよ、俺の方こそごめんな。――さっきさー、現場でひと悶着あってムカついてたんだよ。すぐに切り替えなきゃいけねーのに…、ダメだよなー」
左目を瞑り、優しそうに口角を緩めた出雲は生駒に声を掛けた後、「はっ」っと少し苦笑いするように息を吐く。出雲の少し後悔するような物言いと態度に生駒も俯いていた顔を上げると、自身の首を何度も横に振るのだった。
「…うんん。現場大変だもんね」
「そうそう大変。でも――現場も、管理も、開発もみーーんな大変。仕事はなんでも大変です」
「そうだね」
「でも、いつでも一緒にいる訳じゃないから、何やってるか分かんなくて文句がつい出ちまう」
晴れやかな色を顔に浮かべ優しく微笑むと出雲は両手の
「うん、そうだね。自分こんなにやってんのに…――みたいなね」
「そうそ、自分大変がどうしても出ちゃうんだよな。実際やりたかった仕事についても嫌なことばっっかり見えちまう。だけど―――」
出雲は自身の鼻の頭を搔きながら恥ずかしそうに微笑むと多少首を傾け生駒に顔を合わせる。
「―――辞めてねーから、何か居心地良いんだろーな」
「うん。そだね」
お互いが顔を合わせ笑いあった後、出雲は胡坐をかいて座っていた地面から
「ほれ、やっちまうぞ」
「えっ?」
驚いた顔を見せる生駒に出雲は掌を上に向けた状態で指先を動かし手招きする。
「新武装持ってきなって。テストプレイするから」
「出雲くーん…。―う、うん! わかった! ちょっと待ってて」
生駒は大きく頷き笑顔を見せると、直ぐに立ち上がり倉庫の奥からトリガーのついた大きめの筒状の物を2つ、大きめのリモコン台車に乗せて運び出してきたのだった。
「お待たせ、これが言ってたやつだよ」
生駒が運び出してきた物体を出雲はマジマジと見つめると不思議そうに首を捻るのであった。
「何これ? 脚付いた『ハチヨン』みたいな形してるけど…――」
出雲はしゃがみ込むと、『ハチヨン』と呼んだ台車に乗った物を近くで見た後、生駒に眉を寄せた顔を合わせる。
「――お前バズーカ作りたかったの?」
「バズーカ作りたいわけじゃないんだけどさー…。言われてみれば『ハチヨン』、いわゆるカールグスタフに少し似てるね」
生駒も出雲に言葉を返すとその場にしゃがみ込むのだった。
「これ触って大丈夫? 爆発しない?」
「――しねーよ。ロックも掛かってるし大丈夫だよ」
生駒に了解を取った出雲は台車に乗った物体を手で触りながら確認する。
バズーカのような形状をしているが、車輪がついていたり、伸縮する脚の様な物がついていたり、謎の形状の武器に出雲は更に不思議そうに頭を捻るのだった。
「え? 何このアタッチメント。車輪と脚が4つ? え? これ、設置タイプ?」
「うん、分からなそうだから説明するね。―――後これ。出雲君用に右目タイプにしてる」
生駒は困惑した表情を浮かべ頭を捻る出雲に言葉を返すと、台車に乗っていたARゴーグルの様な物を手に取り、出雲に手渡したのだった。
「あぁん? 何これ? 片目用のゴーグル?」
「そ、単眼用FPVゴーグル。ファーストパーソンビュー。知ってると思うけど、いわゆる一人称視点ゴーグルだよ。この武器――」
生駒は出雲に説明しながら台車に乗っている武器を指差す。
「『ピアッシングストライク』の。――出雲君が持ってるゴーグルは、この武器の照準映像が映るようになってる物なんだ。――続けるね」
出雲は生駒の説明を聞き渡されたゴーグルを眺めた後に、再びピアッシングストライクと生駒が呼んだ武器を見つめるのだった。
「この武器は簡単に言えばタングステン合金の金属プレートを高速で打ち出す武器だよ。打ち出された装弾筒と棒状のプレートはサボが分離し、簡単に言えば侵徹体は高速で対象にめり込む」
生駒は自身の両手を丸めて拳を作り引っ付けた後、手を開いたり、両手を離したり、手でも表現しながら武器の説明をする。説明を聞いた出雲は一度首を軽く捻った後、生駒を片目を尖らせた、やや怪訝そうな顔付きで見つめるのだった。
「あぁん、侵徹体? そんなのAPFSDS。いわゆる徹甲弾じゃねーか!!」
「うん。今は小型の徹甲弾を打ち出す武器って認識でいいよ。先に操作説明するね」
生駒は出雲の問いかけを肯定するように頷くと説明を続けようとする。
出雲は少し釈然としない心持ちを表すように首を捻るが、すぐに了承するように生駒に頷き返すのだった。
「…ああ」
「この武器はリンカー、いわゆる遠隔脳波起動できるようにしているから、出雲君リンカーで動かしてみてくれる?」
「ああ、いいけど。リンカー操作は?」
「うん。セットで車輪と4脚を配置。エクステンドで砲身がテレスコ、いわゆる伸びる――」
「――伸びる?!! これ伸びんの?!」
出雲は驚愕したように目を見開き武器を見つめた後、生駒に顔を合わせ砲身が伸びる事を強調するように自身の縮めた腕を大げさに前に伸ばす。若干興奮したように大きめのリアクションを取る出雲に生駒は何度か頷くと言葉を返すのだった。
「うん、伸びるよ。クレーンのブームみたいに。速度はもっと早いけどね。――後はリリースでロック解除。アップ、ダウンとかで上下左右の照準移動。そして、サイトロックで照準固定、アクティブファイヤーで発射だよ」
「リンカー操作は簡単だな。その程度なら余裕だ余裕、任せろ」
出雲は生駒の説明に自身満々に親指を立てた後、生駒から渡されたゴーグルを右目に取り付け始める。そして、装着したゴーグルの電源を入れると自身の視界に投影された映像を確認し始める。
装着感は眼鏡に近く、完全に片目の視界を塞ぐのではなく、視界を阻害しない程度に投影される映像には、距離、レティクルが表示される。出雲は左目を開いたり、閉じたりすると、把握していたようにゴーグルに付いたダイヤルノブを回転させ、投影された画面に現れたコマンドを選択するようにして調整するのだった。
「OKOK。大体把握した」
「相変わらず慣れてるねー。――電子ズームも問題ない?」
「ああ、問題ない問題ない。――うし」
生駒に声を返した出雲は台車に置かれているピアッシングストライクを手に取る。
「おっっもッ! これさー、バイブロとハイドラとこれ装着したら俺とゴリラ以外動けねーぞ!!」
「そんなにいっぱい装備する人、僕いないと思うんだけど……」
「いるだろ! いっぱい付けたらロボットみたいでカッコいいからな。―――武器ここ置くぞ?」
「…あ、あー、…う、うん」
生駒は出雲の返答に少し呆れたように瞼を下げると出雲を半目で見つめるが、出雲は視線に気づくことなく、手に持つ武器を少し離れた位置まで運び地面に設置するのだった。
「よし。――リンカーで動かすぞ?」
「うん。どうぞ」
―うし。まずは―――
―『セット』
出雲の思念に従うよう、設置した武器はカチャンと音をたて4本の脚と車輪を飛び出させ、武器を地面に固定する。
―『エクステンド』
武器の砲身が更に長く伸びると、1.5倍程度に伸びた所で動きを停止する。
出雲は伸びきった砲身を確認すると、スコープに映る映像を確認しながら上下左右に砲身を動かし位置調整すると大きく頷くのだった。
「オッケオッケ。―――リンカー操作はバッチシだ。きちんと動いてるよ」
「ああ、うん。――とりあえず、あっちの鉄板に――」
「――了解」
―『レフト』
―『サイトロック』
出雲は生駒の言葉に被せる様に即答した後、砲身を生駒の言う鉄板に向けると照準を固定した。そして、いつでも発射可能だと言わんばかりに右目に映る映像を凝視しながら生駒に鉄板を指差し「撃つぞ」とハンドサインを送る。
生駒は自身の膝上にPCを乗せ操作しながら、忙しなさそうに出雲のハンドサインに手を挙げるのだった。
実際「撃つぞ」に「待て」と合図したつもりの生駒。
「撃っていいか?」に「わかった」と合図してきたと思った出雲。
大きな誤差が生じた事にこの時二人は気づかなかった。
出雲は周囲を確認すると、狙い澄ます様にマーカーの付いた一点を見つめた。
そして呼吸を整える様に大きく息を吸い込んだのだった。
「狙い撃つぜぇぇ!! アクティブ!!!」
「―――えっ? ちょ――」」
生駒が疎通ミスに気付いた時にはすでに遅く、発射態勢に入っていた出雲はとどめと言わんばかりに叫ぶとピアッシングストライクを起動させた。
直後けたたましい爆音が周囲に響き、煙を上げながら空気を震撼させる。
放たれた弾頭は超高速で対象に向かいサボをパージすると、むき出しになった浸撤体は鉄板を揺らし突き抜けると第一倉庫の壁にめり込むように突き刺さったのだった。
そして――
呆然とした表情でその様子を見つめていた両者に対し、止めと言わんばかりに突き刺さった弾芯は数秒後に更なる轟音を鳴らし爆発すると防壁を吹き飛ばしたのだった。
「………」 「………」
二人は完全に光の消えた虚ろな目で第一倉庫の大穴をしばし呆然自失とした表情で見つめる。
「…おい」
「…な、なに…」
「…お前、これ―――」
ボソボソとお互いやり取りした後、出雲は勢いよく生駒に顔を合わせる。
「――徹甲弾じゃなくて、徹甲榴弾じゃねーかぁぁあ!!」
「せ、説明する前に、き、君が撃つからだろっ?! な、なんで撃っちゃったの?!!」
反論してきた生駒の肩を出雲は両手で掴み前後に揺する。
「さ、
生駒を至近距離で見ながら、出雲は第一倉庫に空いた大穴を指差す。
「あ、謝るしか、な、ないだろ…」
口角を引き攣らせながら視線を外す生駒に、出雲は更に顔を近づけ生駒の胸を指差すのだった。
「…お前、センター長におっぱい見せて『これが私にできる最大の誠意です』って言って謝って来い。後、『僕の独断専行です』って付け加えろ」
「なっ! なんで僕だけが悪くなんだよーー!! しかも、何で僕がそんな色仕掛けみたいな―――」
「――だな、お前のおっぱいなんか見ても怒りを増長させるだけ――」
「――な、なにをぉ!!!」
♢
――この後
二人が掴みあって言い争いをしていると、轟音を聞き駆け付けた機材センター長に遭遇。理由と経緯を説明するが、お互いが『こいつ』が悪いと相手を指差し責任を擦り付ける有様に、センター長からの雷と言う名の
――re:write this is off topic―――
余談だが、出雲のバイブロハンマーはフレームが曲がった為、入院。
高密度不活性金属爆薬というのを炸薬として使用しているピアッシングストライクの弾単価、一発当たり45万円だそうです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます