嘘つきな君と。優しい君と。【番外編】

「おまたせー委員会終わったから帰ろー」

放課後急に入った委員会の仕事で、あの子を待たせてしまった。

「あれ?…あ、」

教室の隅を見ると眠っている君の姿があった。

「ふふっ」

君の横の席に座って寝顔を眺める。

心地よい風が窓から流れてきてカーテンの隙間から暖かい日差しが差し込む。

君の元に椅子に座ったまま近づいた。風で崩れた髪を手で直してやる。顔にかかった横髪を耳にかける。

立ち上がって君の方へ屈む。

「…好き」

ほんのり暖かい唇の柔らかい感触を覚えながら名残惜しいまま離し座り直す。

「…」

口パクで伝えた。


「お、そろそろ帰ってくるかな」

委員会に行ったあいつを教室で1人スマホを弄りながら待っていて時計を見るとそろそろ終わる時間だったので寝たふりをして待っていてやろうと思った。

寝る体制にはいり、暖かい日差しに包まれて眠る。

「眠たい…このままだと寝そうだなぁ」

「おまたせー委員会終わったから帰ろー」

あ、きたきた。寝たふり寝たふり

「あれ?…あ、」

ゆっくりと近づいてくる君、ほんのりと柔らかい甘い君の匂いがしてくる。

「ふふっ」

横に座って眺める体制になってた

柔らかい手が髪を手櫛で直してくれてさらに眠気を誘う。

暖かい日差しと涼しい風、そして君の匂い。

いつの間にか眠ってしまったけれど、ちょっとだけ途中で起きると君が口パクで何かをいっていた。


ごめ…ん…ね


甘い香りに誘われてまた眠った。

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甘くて苦い恋 奏音宮 @mirai0715

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