第39話 モニターしかない街
みんなが自分を宣伝するためにモニターを置きだしたのが始まりだった。
でもみんな殆ど外に出ないから誰もが誰かを見つけることはなかった。街はモニター
だらけで、モニターの陰にモニターが被ったりもしていた。
しかし、みんながモニターを置きすぎたせいで、自分の部屋の窓や玄関先にはもう
モニターを置けなくなっていた。
しかし道路は政府や公共機関がモニターを置いていたのでその上に置いて捕まる
のは嫌だった。
そこでみんなは掲示台を作ることにした。
その掲示台を作ってる最中にもどんどん出来上がったところからモニターは
置かれていく。
掲示台はどんどん上に伸びていく。
住民たちはどんどん掲示台を作っては自分のモニターを置くが、もう下の方にある
モニターは見えない。
でもどんどん上へ上へいく。
休憩所として小さな小屋を設置もするが、次の朝起きたときにはもうそこは
モニターで埋まってて他人を見ないといけなくなる。
自分は見られないのに他人を見せられるので、気分が悪いので足場で仮眠して
どんどん上へ上へ。
その日、足場が崩れた。
政府が予想していて下にクッションがあったのでみんな助かったが、そこは
政府の巨大モニターに囲まれた檻のようになった場所だった。
みんな上ばかり見て気づかなかったんだろう。
みんなは自分をアピールすることを捨てて、心の安寧を得て生きている。
END
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